構造改革進めフランチャイザーへ他社とのコラボレーション店舗も開発/かつてん他/遠藤大輔社長


フジタコーポレーション

北海道苫小牧市

遠藤大輔社長



ジャスダック上場企業のフジタコーポレーション(北海道苫小牧市)は、1978年の設立以来、「ミスタードーナッツ」や「モスバーガー」など、メガフランチャイジーとして拡大してきた。近年は、FC本部機能を強化。現在、かつ丼等の「かつてん」のほか、「らーめんおっぺしゃん」、タピオカの「モミトイ」を展開している。昨年のコロナ禍をきっかけに飲食店の産業構造の転換が求められる中、同社は早くから他社ブランドとのコラボレーション店を展開するなど、新たな施策を進めている。(※2021年4月号「注目F C 本部」より)



遠藤大輔社長

PROFILE えんどう・だいすけ

1976年2月生まれ。1998年4月大阪ヒルトン入社、2001年9月プライム・リンク(現アスラポート)入社、2016年4月同社取締役(現任)。2016年6月フジタコーポレーション取締役、2019年3月同社代表取締役社長(現任)、2019年6月BENOIT JAPON代表取締役社長(現任)。


「かつてん×小僧寿し」本格稼働 テイクアウトやドライブスルーも


同社の主力形態「かつてん」は、「できたてのかつ丼・天丼をもっと手軽に」をコンセプトにしたどんぶり専門店。同ブランドは1996年、札幌市に1号店を開業して以来、北海道の食材にこだわった商品を提供。主力のかつ丼と天丼は499円で提供しており、客単価は約680円。客層は会社員や家族、シニア層と幅広い。そばは3年前よりメニューに追加した。 


▲主力業態の「かつてん」ビルイン店舗

「かつ丼、天丼、そばは日本人が好む、いわば三種の神器です。この3つの柱を常に磨き上げていく。昨年からは生そばを採用しており、今は出汁を変えようとしています」(遠藤大輔社長)。コロナ禍でも2020年12月期は5店舗を新たに出店し、現在30店舗。今年も数店舗の出店を予定している。


同ブランドの出店立地はビルインや商業施設のフードコート、生活幹線道路沿いのロードサイド。坪数は15坪〜35坪、物件保証金は賃借料×6ヶ月が基本となる。投資額は工事代金で700〜800万円で個人でも開業が可能。総投資額では2000万円を切る。「店舗の多くは同じ外食店の居抜きを利用しているので、イニシャルコストは同じ規模の店と比べても低く抑えることができます。想定投資回収期間は3年以内です」(遠藤社長)。



▲かつ丼の他に天丼、そばも


債権債務のリスク含めて基本的には法人限定だ。 同ブランドは、コロナ前よりテイクアウトやドライブスルーを始めるなど、新たな取り組みを積極的に行ってきた。他ブランドとのコラボレーション店舗もその一つ。 小僧寿し(東京都中央区)との協業による「かつてん×小僧寿し」は、2020年4月より第一号店がスタート、順次リニューアルオープンさせている。「小僧寿し」の店舗を一部改装、入り口を分け、厨房はフライヤーを入れて「かつてん」の商品を提供する。小僧寿しによればリブランド以来、前期比売上高200%の店舗もあるという。


同社はまた、第二弾として大阪を中心に展開している韓国料理店李朝園とのコラボ店舗もオープンさせた。こちらは「かつてん」の店舗に李朝園のデリバリー商品を加えた。「当社を心にした飲食店のフードコート版を目指しています。あそこにいけば有名ブランドのものが食べられる、というようにしたい。消費者からしてみればもっといろいろなものを欲しいという声を拾っていく。様々なブランドと組んでいけばニーズが取れると考えています」(遠藤社長)。


同社では今後もこうしたコラボレーション店舗を増やしていく計画だ。「例えばベーカリーと『かつてん』のロードサイド店がコラボレーションできれば、『かつてん』の夜のニーズに加えて朝のニーズも獲得できるはずです。つまり一つの店舗で時間の売り方ができるようになる。今の消費者は食事のうまいだけでなく、時間の短縮や利便性を求めています。昨年はビジネスホテルとも協業して、ホテルのキッチンを使ってのデリバリーも始めました。ホテルは好立地にあるため、こうした取り組みも新たな市場を開拓できると考えています」(遠藤社長)。


メガフランチャイジーから業域拡大 コロナ禍はビジネスモデルの転換期


もともと同社は1978年設立以来、「ミスタードーナツ」や「モスバーガー」など他ブランドのFC店を複数運営するメガフランチャイジーとして業績を拡大、2005年には東証ジャスダックに上場を果たした。現在でも北海道・東北・関東エリアで約72店舗を運営しており、主力ビジネスだ。


5年前に業績の悪化から同業で同じジャスダック上場のJFLAホールディングス(東京都中央区)と業務提携を締結。遠藤社長が社外取締役として参画し、昨年3月に社長に就任。以来、投資回収から利益率、それぞれの商品のベンチマークなどを行って構造改革を進めていった。


オリジナルブランドの「かつてん」をFC展開していくこととなったのも、その一環で本部機能を強化するためだった。「自分たちの足で立つということに重きを置いて、収益構造を変えることが喫緊の課題でした。ただ当社は直営をやっていたもののFC本部は、これまでやっていませんでした。JFLAホールディングスはFCビジネスを得意としていた。FCの正式スタートは2018年11月で、直営店を他の外食店に売却しFC店として始めてもらった」(遠藤社長)。


FC化する際に 店舗の見せ方を大きく変えた。地元北海道の食材を使うことやドライブスルーやデリバリーなどの売り方を変えるなど、総合的に様々な部分を変えていった。以降、「かつてん」を中心にFC事業を拡大している。「今後は基本FCと直営が8対2もしくは9対1になってもらえればとコロナの前には考えていた」(遠藤社長)。


こうした施策を進め、昨年2月までは業績が好調でV字回復できたはずだった。しかし3月以降コロナ禍で大きく売り上げを落としてしまったという。緊急事態宣言時にはフードコーの休業も響き、同社の2021年3月期第2四半期の売上高は前年同期比16・3%減の19億3500万円と厳しい業績となった。 


ただ、足元をみれば店舗再開によってフードコート内店は80%、単独店では11月に100%超えるなど回復傾向にある。「単独店の立地は郊外のロードサイドで戻りはよく、東京ほど地方は悪くありません」(遠藤社長)。各加盟店もキャッシュフローベースでは赤字になっていないという。 


同社の構造改革は道半ばだ。今後は「かつてん」の出店方法も変えていく。コロナの経験踏まえて、商業施設の集客に左右されるフードコートよりも自らコントロールできるロードサイドに比重を置く。ただ空きが出たからと言ってすぐに出店していくことはないという。コロナ禍で外食業界全体の構造改革が進んでいる。外食業界の市場規模は縮小していくことは確実だ。


「ましてや今の業態は大手企業がやりつくしています。こうしたことを前提にFCの在り方を変えていかないと我々のような中堅は生き残っていけない。先行している国の外食を見てみると、実はすでにデリバリーが増えていました。日本は人口が増えるアジア諸国と比べてそういう時代ではありません。新店を出すのと同時に二手三手のものがあるようにしていかないと、単に店を出すだけでは難くなるでしょう。今はコロナ禍でかえって挑戦ができる。ピンチをチャンスに変え、ビジネスモデルを構築して産業の垣根を意識しながら、消費者の求めるものはなにかを追求していきたい」(遠藤社長)。

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