月間約70店のペースで開業続ける結婚相談所ネットワーク スケールメリット活かした相互送客で年間9732組の成婚を後押し/日本結婚相談所連盟/二ツ矢 有紀 取締役


IBJ

東京都新宿区

二ツ矢 有紀 取締役


「日本結婚相談所連盟」を運営するIBJの加盟店舗数が急増している。現在約2700店(21年1月実績)を展開しているが、現在は月間60〜70店舗のペースで開業している。拡大成長の理由について、二ツ矢有紀取締役に聞いた。(※2021年4月号「急拡大FC本部」より)



二ツ矢 有紀 取締役

Profile ふたつや・ゆき

1972年生まれ。1991年に航空自衛隊に入隊。2002年からウエディングプランナーとして従事。2010年、株式会社IBJ入社後、結婚相談事業、ネット婚活事業に携わり、2017年に株式会社IBJライフデザインサポート取締役に就任。2020年、株式会社IBJ取締役に就任。

――今年2月に発表された新中期経営計画によると、2027年までに出店数1万店舗の計画があるかと思いますが、婚活市場はそれほど拡大しているのでしょうか。


二ツ矢 「婚活」という言葉は、ここ10年ほどで少しずつ世の中に認知されてきました。この流れにより、婚活サービスへのハードルが下がり、実際に婚活サービスを利用する人が増えています。最近はライトな気持ちでパーティーに参加した後、婚活を本気で始めようと考えて当社のような結婚相談所の会員になる傾向もあります。日本結婚相談所連盟の月間新規会員数は平均3300名のペースで増えており、直近1月の登録会員数は6万7828名となっています。


――近年、若年層を中心にマッチングアプリによる出会いが広がっていますが、こうしたものも婚活市場の拡大に起因しているのでしょうか。


二ツ矢 当社グループの「Diverse(ダイバーズ)」がマッチングアプリを開発・提供していますが、パーティー同様に気軽にアプリを始めた人が、その後本格的に婚活したいという気持ちになって、結婚相談所の会員になるケースも多くあります。ただマッチングアプリは、気軽に始められるという利点がありますが、結婚相談所は会員登録の際に年収や学歴などの証明書が必要になる分、相手の身元をしっかりと保証できるという良い点があるため、業態は異なるものだと考えています。


――2015年は業界で初めてとなる東証一部上場のタイミングでもありました。


二ツ矢 婚活ビジネスはコンビニビジネスなどと違い、一般的に不透明にみられる部分があるのではないかと感じています。そのため、実際に体験したことがない事業について、自分で展開するという考えになりづらいのではないでしょうか。しかし当社は、一部上場したことによって知名度も上がり、社会的信用度も増した。当社への加盟開業に対するハードルが下がると同時に、同業他社との差別化も明確になったと思っています。


――拡大の理由として、初期投資額が低いことも起因していますか。


二ツ矢 加盟金は個人で160万円、法人で320万円となっており、固定費用が掛からないため低リスクでスタートできます。またサービス価格を独自裁量により設定できる自由度もありますが、本部として貫くべき「成婚」への料金は設けるなど、ある程度の基準は設定しています。


――費用面の他にも、出店拡大となる時代背景や環境変化はありますか。


二ツ矢 最近の副業許可の影響は大きいと考えています。結婚相談所の場合、事務所や店舗を持たなくてもよく、限られた時間内ででき、収益も個人の目指す目標によってコントロールできます。そのようなことから、コロナ禍での新たな事業としても注目されています。


――2020年の年間成婚組数は9732組(グループ会社・加盟店等含む)となり、1万組も射程圏内です。これだけの成婚実績を出せる要因は。


二ツ矢 様々な要因がありますが、特に大きなものとして当社の成婚の定義にあると思います。そもそもの結婚相談所の成婚の定義として、「成婚=真剣交際」と設定している他のサービスが多いです。しかし当社は「成婚=婚約」としています。真剣交際はお互いの結婚の意思を確認したり、プロポーズの段取りを行ったりする期間。一方で婚約はプロポーズをして結婚が決まり、新しい生活をスタートさせるタイミングになります。会員は結婚を目的に入会するため、当社は結婚に至るまでの一番大切なポイントである婚約までを、加盟店同士が連携して会員をサポートできるような体制を整えています。


――成婚者数が多いということは、出会いの機会も多いということだと思いますが、その要因はなんでしょうか。


二ツ矢 会員は自身が登録する一つの結婚相談所だけではなく、日本結婚相談所連盟ネットワーク全体の中から相手を探すことができます。一つの結婚相談所だけに限ってしまう

と、立地や紹介できる会員の数に限りがあるなどの理由から、出会いの数が制限されてしまいます。しかし当社のネットワークの場合は、全国にある他の相談所と情報が共有されます。その上で相互に送客ができ、出会いから成婚までを加盟店同士が連携してサポートするのです。ですから加盟店同士もライバルではなく仲間という意識で事業展開をしているため、この横のつながりの強さによって多くの出会いが生まれ、成婚につながっていくのです。

また昨年5月には国内で50店舗を有する大手結婚相談所の「ZWEI(ツヴァイ)」を子会社化しました。各地域に点在するZWEIの相談所が加盟店のハブとなることで、会員の出会いの数がさらに拡大しています。


▲年に1回の全国の仲人「IBJサミット」(2019年)

――成婚者数や出会いの数は右肩上がりであったとはいえ、新型コロナウイルス感染拡大による影響もあったのではないでしょうか。


二ツ矢 昨年4月に緊急事態宣言が発出された直後は一時期低迷しましたが、すぐにお見合いをオンライン化するなどの対応をとりました。その結果、お見合いから約半数が仮交際へ発展しており、オフラインよりも20%上昇しました。理由として、自宅でリラックスしながらお見合いに臨むことができたり、遠距離の場合でも交通費をかけずに話ができるようになったことなど、お見合いをしやすい環境になったことが一因と考えられます。


――成長を続けていくためにサービスの質も重要だと思いますが、研修などはどのような体制で行っていま

すか。

二ツ矢 オーナー向けの研修制度や、アンバサダークラブといった仲人同士がコミュニケーションを持てる場などを設けています。中には当社代表の石坂が研修を行うこともあり、会員に対するサービス向上をサポートしています。


――会員への質の高いサービスを提供するための制度はほかにもありますか。


二ツ矢 ウエディングやハネムーンなど、結婚する際に利用できるサービスや保険や住宅など、結婚後の新生活をサポートするサービスを用意しています。


――今後の拡大戦略は。


二ツ矢 当社は国内における結婚組数の5%に起因することを目標としています。ただその一方で、やみくもに開業するのではなく、「成婚を生み出す」「少子化問題に寄与する」という同じ志を持ち、実働する加盟店を増やしていきたいです。実は2015年頃から、これまで多かった個人経営による加盟だけではなく、各地域の地元密着企業からの加盟も増えてきています。またウエディング事業や保険事業などを行う企業が、川上から顧客を獲得するために始めるケースもあります。こうした本業とシナジーのある事業として開業してくれるケースも含め、加盟開業を増やしていきたいと思っています

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