干物の炭火焼きに特化したファストフード食堂コロナ禍の開店でも売上堅調/しんぱち食堂 越後屋

越後屋

東京都港区



炭火焼き干物食堂のファストフード」という、ありそうでなかった業態の「しんぱち食堂」が勢いを増している。オープンしてから8年が経ち、現在、直営10店、FC10店舗を展開する。「日本の優れた食文化を伝えていきたい」と創業者の江波戸千洋氏は語る。(※2021年4月号「注目のNEW FCビジネス」より)

しんぱち食堂

んぱち食堂の定食での最大の特徴は、メインとなる干物を炭火で焼いて提供することだ。炭火の扱いや魚の調理は大変かと思われるが、「干物を焼くのはひっくり返すだけなので、実は簡単」と運営元である越後屋(東京都港区)の創業者、江波戸千洋氏は話す。


実際、調理の職人は不要。仕込みは炊飯や味噌汁の準備のほか、冷凍で配送される干物を解凍するだけなど、手軽なものだ。

炭火で焼いた干物に、ご飯、出汁からとった味噌汁などを添えた定食は、昔の日本では一般に食べられていた食事だ。最近では、煙やにおいから家庭で魚を焼くのは敬遠される傾向にある。


その中で同社は、「家で食べられないものを提供するのが外食の基本」の考えのもと業態を開発したわけだが、結果的に昨今のヘルシーさを謳った和食人気の流れにも乗っている。

メニューは干物22種類、肉類のおかず5種類から選ぶ定食が基本。22種の魚は、サラリーマンが平日に毎日来ても1カ月間は魚が重複しない数であり、また専門性もアピールできる。


いずれもジューシーな身に炭火焼きの香ばしさが加わり、ご飯に合う濃厚な味わいだ。肉類のおかずが選べるのは、魚や干物が苦手な人にも来てもらうためだ。定食は570〜1080円で、朝は400円で提供する。アルコールは生ビール150円のみ。



後発の類似業態が成功しないのは、炭火への参入障壁の高さと、シンプルなだけに内容が問われるからだ。しんぱち食堂では前身の店舗からは10年が経ち、仕入れのバイイングパワーも備えている。また「炭火で焼く」というシズル感を演出、チェーン店でありながら個店のような雰囲気作りも特長だという。



▲毎日食べられるように、22種類の干物がある


店舗と収益モデルは15坪18席以上で、売上700万円。これは回転率が高いため実現できる数字で、既存の売れる店舗では朝0・5:昼2:夜2:深夜0・5の売上比率だ。


出店にあたっては、加盟金300万円、開店前研修費用100万円、開店前指導料100万円(2店舗目からは開店前研修費用と開店前指導料は共に不要)が必要。物件取得費は別で、工事費は居抜き物件1500万円、スケルトンでは3000万円を想定している。


オープン後のロイヤリティは3%。低めの設定なのは「負担が大きい割にあまりうまく機能しないSVを置くより、ネットを活用した方が実際的では」(江波戸氏)と考えるためだ。FCの運営のスキルアップに役立つ情報などを動画配信する仕組みを検討中だ。


新型コロナウイルスの影響で出店計画は若干変動しているものの、「FCは7〜7・5割の比率で、100〜150店舗の出店は堅実に進めていきたい」と江波戸氏は語る。すでに福岡でのFC店舗が稼働しているように、地方都市でも希望があれば出店する意向だ。


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