少子高齢化を見据え幅広いサービスを揃える総合不動産型フランチャイズ

ハウスドゥ(東京都千代田区)

安藤正弘 社長(53)

1965年、京都府生まれ。91年に不動産仲介業を創業し、2009年に現在の株式会社ハウスドゥを設立。先行して2006年から展開していた不動産売買仲介のFC「ハウスドゥ!」は、現在500店舗を突破。現在は不動産に絡めた金融サービスも急速に展開しており、これらのサービスモデルを武器に、国内1000店舗体制を目指す。


 日本の大きな不動産売買FCは、1980年代に発足し、数十年かけて店舗数を増やしてきたところが多い。しかしハウスドゥ!は2006年にFC事業がスタートしたあと、わずか10年程で急成長を果たし、加盟店は7月現在で全国500店を突破している。他業種からも続々と参入するというハウスドゥ!の魅力や飛躍の理由、今後の展開を探る。


不動産業者から一目置かれるFCチェーン


 「ハウスドゥ!」は、総合不動産業を展開するフランチャイズブランドとして、不動産売買、仲介、リフォームから、ハウス・リースバックや不動産金融まで地域密着のワンストップサービスを展開している。FC加盟者は年間80~100のペースで増えてきており、しかもその業種は様々だ。


 FCがスタートした当初は建築やリフォーム業社の加盟が多かったが、最近は住宅関連ではない異業種の加盟が増えている。外食系、コンビニ経営者、中古車の買い取り業社なども加盟しており、最近では、中小の不動産同業者が社会的信用度やブランド価値を求めてFCに加入する例も出てきている。


 以前はノウハウだけ手に入れてFCを辞めてしまう人が多かったが、今は腰を据えて不動産をしっかりやろうという加盟店オーナーが増えているという。


 「加盟店が一気に増加したのは、イメージキャラクターの古田敦也さんが登場するCMなどが浸透し、ハウスドゥ!の名前が知られてきたこと。そして2016年に東証マザーズから東証一部に指定替えされたことで“この企業は有望だ”と評価されるようになったからだと思います。また、リフォームや建築は下請けになることが多いけれど、不動産売買は元請けの仕事。だから憧れる人が多いのではないでしょうか」


上場前から磨きをかけたサービスでトップへ


 ハウスドゥ!が取り扱うサービスの中でも知名度が高いのが、住みながらその家を売却できるというハウス・リースバックだ。このサービスは、顧客の自宅などの物件をハウスドゥ!が買い取り、その後はリース契約をして顧客が賃料を支払うことで、そのまま住み続けられるというもの。


 ハウス・リースバックは、持ち家はあるが老後の資金がない高齢者などに需要があるものの、大手にとっては市場規模が小さく、資金力のない中小業者は参入が難しい分野だ。


 「ハウス・リースバックは上場前からスタートしていたサービス。他社にも類似のサービスはありますが、資金力やノウハウなどの点でハウスドゥが圧倒的にナンバーワンのシェアを持っています。CMなどでも宣伝していることから、サービス自体が集客ツールにもなっています。結果的にハウス・リースバックを使わない顧客も、売買や契約のきっかけになることが多いです」と安藤社長は語る。FCに加盟した理由として、このサービスの存在を挙げるオーナーも多いという。


不動産金融や顧客の資産活用にも進出


 不動産金融の事業としては、不動産担保ローンを展開するほか、2017年からリバースモーゲージの分野に進出している。リバースモーゲージとは、高齢者が持ち家を担保に老後の資金の貸付を受けられる制度。ハウスドゥ!は顧客の不動産を査定・保証し、地元の銀行と提携することで手数料収入を得る。不動産売買だけでなく金融商品を取り扱える背景には、全国規模のフランチャイズ事業を通じて養った査定力と信用力がある。


 「不動産を持っていても、現金にできずに困っている人がたくさんいるのが現状なので、リバースモーゲージは莫大な商いになると見ています。また、将来的にハウスドゥ!の加盟店が800店舗を超えたら、不動産信託を手がけたいと考えています。不動産を持っていても活用できていない、しかし売却はしたくないというオーナーを対象に、土地や建物を運用してあげて配当も出すというサービスです。ビルやアパートなど、その土地に合わせたあらゆるサービスを幅広く提案していきたいと考えています」


シェアリングエコノミーに合致した「タイムルーム」


 同社は昨年12月から賃貸不動産仲介事業にも参入。「レントドゥ!」ブランドを設立し、今年4月からFC加盟店募集を開始した。レントドゥ!のFCは現在12店舗だが、今後は全国に拡大していく予定だ。日本中で空き家や空室が増えており、これまで大手不動産仲介に任せていたオーナーが新たなパートナーを探す動きもある。レントドゥ!では不動産オーナーの問題解決のため、ハウスドゥ!の展開で築いた不動産売買のノウハウや、ハウス・リースバック、不動産担保ローンなどのサービスを活用する方針だ。


 その取り組みの一環として、不動産オーナーには、空室・空きスペースを時間貸しできる「タイムルーム」のシステムを提案していく。このシステムは予約受付をメールで行い、レンタルルームの使用時にはオーナーがその場にいなくても、スマートロックで解錠・施錠ができる。また決済はクレジットカードのみで行うため、利用料回収の手間がない。このシステム導入によって、不動産オーナーの収益向上をサポートしていく。


 「一時貸しですからオーナーさんも始めやすいし、辞めるのも簡単なシステムです。都会だけでなく、郊外の不便な場所でも、たとえば“出先で買ったコンビニ弁当を食べる場所がほしい”とか“町内会後にカラオケがしたい”など、短時間で部屋を借りる需要は日常的にあります。実際に予約は続々と入っている。まさにシェアリングエコノミーにマッチしたシステムといえます」と安藤社長は語る。


FC加盟店は協力しあえるパートナー


 前述したように、ハウスドゥ!FCには不動産業者や建築・リフォーム業者も多く、加盟店でありながらも顧客であるというケースが多い。しかし安藤社長は、FC加盟店は顧客と言うよりも“一緒にやろうという思いを共有する”存在だと語る。


 「不動産売買FCにいちばん大切なのはプロデュース力、商品を売り出す力だと思っています。当社ではイメージキャラクターを古田氏にお願いして、ブランド認知を高めていますが、それはたくさんの加盟店さんがいるからできること。たとえば、加盟店さんは月3万円で、自店のチラシや屋外看板などに古田さんの写真を使うことができます。100店で300万、1000店で3000万というようにワリカンにすることで広告力が大きくなっていくわけです。また、地域密着型の加盟店がいなければ役割を分担できないし、お客さんからの問い合わせにも十分に対応できない。力のある加盟店さんには特に協力していただいており、こうした加盟店さんの力があるからこそ、当社は拡大し続けられているのだと思います」

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