婚活ビジネス展開し売上高は100億円を突破、「一人でも開業できる」結婚相談所は全国に2062カ所

日本結婚相談所連盟(IBJ:東京都新宿区)

石坂 茂 社長(47)

Profile いしざか・しげる

1971年生まれ。1995年東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行(現:みずほ銀行)に入行。2001年ブライダルネット代表取締役に就任。2006年婚活総合企業であるIBJを設立し代表に就任。2012年ジャスダックに新規上場、2015年東証第一部上場。

結婚したい人同士を繋げるマッチングサービスを軸に、結婚関連ビジネスを拡大してきた東証一部上場企業のIBJ (東京都新宿区) 。2012年の上場以来、売上高は堅調に推移し、2018年12月期の売上高は118億1800万円と業界トップを走る。主力となる結婚相談所運営事業は、2000カ所を突破、成婚まで至るカップル数は年間600組を超える見通しだ。年々減少傾向にあるとはいえ、年間婚姻組数が国内で60万組といわれる中では、まだシェアは1%にも満たない。そこで同社は、今後3%にまで伸ばしていく青写真を描いている。

「結婚したい」会員は6万4095人

成約件数は過去最高の6132組に

——婚活アプリ事業や婚活パーティー事業など、年々事業領域が広がっていますが、ビジネスの柱である結婚相談所事業が堅調です。

石坂 グループの主力である日本結婚相談所連盟は、現在2062拠点、仲人は約4000人にも上ります。結婚したい男女の登録会員数は、6万4095人です。月間のマッチング数は3万4954件で、成約数は昨年度過去最高の6132組に達しました。


——結婚相談所といえば、かつてはアルトマンはじめ、大手がいくつかありました。


石坂 いわゆるアルトマンシステムと呼ばれるビジネスは、出店と広告戦略で事業を拡大してきました。多店舗化に伴って、大量の広告費を投入し、莫大なコストをかけて会員数を増やすやり方です。しかし現実はお見合いしても交際にまで至らない人が多い。ビジネスとしては、結婚してもらわない方が引き続き会員を継続してもらえるため、収益が上がるわけです。すると当然利用者からのクレームに発展する。当社はいかに成婚カップルを生み出していくかを主眼に置いて、サポートを充実させている点が大きく異なります。


——相談所は加盟店のほかにも直営店舗があります。その違いは。


石坂 直営店舗は全国で14カ所です。直営店は、相談所としての模範店舗として活動することで、そのノウハウを随時加盟店に提供する役割を担っています。加盟店にとっては余計な業務をすることなく、成約に専念することができる、という訳です。当社はいわば直営店と加盟店のハイブリットビジネスですね。


——個人でも事業に参画しやすいということで、加盟店数を増やしてきました。


石坂 加盟店が増えることで、会員も増え、その分成約件数も増えると考えています。そのため、加盟店を増やすことは非常に重要です。もともと結婚相談所の開設は非常に参入障壁が低い。経験・資格等は特に必要ありませんし、法人はもちろん、個人でも開業が可能です。当社にはこれまで蓄積してきたデータベースをもとに、どんな人でも起業できるインフラを整備しています。


——加盟条件は。


石坂 初期コストとなる開業加盟金は個人150万円、法人300万円です。研修費や保証金は不要で、事務所も特に必要ありません。もちろん、事務所を借りて本格的に開業するオーナーもいますが、実際、業務として必要なのは、パソコンや電話程度ですので、事務所を借りなくて自宅でも可能です。会員との打ち合わせをカフェで行う加盟店も多いです。


——設備投資がない分、初期コストを抑えることができる。仕入れや在庫も抱えることないため、個人でも開業しやすい。


石坂 仕事の時間も自分で調整することが可能です。実際、平日は主に事務作業が中心になりますし、男女の引き合わせや、入会希望者との面会などは、土・日に集中して行うことができます。


個人の裁量が大きい事業モデル

初期投資150万円は1年で回収可能


——基本的な事業モデルは。


石坂 一般的なFCとは異なり、当社はいわゆるロイヤリティは発生しません。ただし、月額システム利用料として平均3万1000円を頂いています。例えば1人で独立開業して、毎月会員を5〜6人集めることができれば、約1年で初期投資の回収が可能です。


——独立開業しやすい条件にしているだけでなく、加盟店が各自で集める会員の支払額も自由度が大きい加盟店にとっては事業へのモチベーションを保ちやすい。


石坂 成婚した場合には最低20万円を頂くことにしていますが、入会金や活動サポート費などの初期費用、月会費などは、加盟店自身が自由に設定できるようにしています。このため、収益率も高い。また、個人の裁量を広げることで、女医専門や国際結婚をメインにする加盟店など、個性ある取り組みを行っている加盟店もあります。もちろん一定の基準や制約は存在しますが、こちらとしても、なるべくオーナーの個性を出した運営を行ってもらいたいと考えています。


——どのような個人、法人が加盟するのですか。


石坂 最近は働き方改革の影響か、副業として活動する人が増えています。特に不動産・保険会社を兼務する人は、成婚をきっかけに本業に繋げていくケースもあります。本業で行う人と、副業として行う人との割合は半々でしょうか。


——女性の加盟店も多い。


石坂 最近では若い方が独立開業するケースもありますが、やはり40〜60代の方が中心ですね。加盟店の仲人は約4000人いますが、約80%が女性で占めています。女性の方が成婚までの「おせっかい」を焼くのが得意のようですね。


——加盟店を増やすとその分、互いに利用客を食い合うことは。


石坂 全くありません。地方・地域問わず広く薄く増やしていくのが当社の考えです。逆に、地域ごとに加盟店同士が情報交換を行うなどのコミュニティが自然発生的にできており、相乗効果が見られます。


——最近ではアプリによる婚活も増えてきました。結婚相談所は一見すると、時代と逆行しているように思えます。


石坂 確かに、アメリカでは男女の出会いを求める手段として、マッチングアプリを利用する比率は60%にも及ぶといわれています。実際、当社のマッチングアプリ事業も成長しており、低価格で気軽に利用できることから今後も人気を集めることでしょう。日本でも4〜5倍まではマーケットが拡大していくのではないでしょうか。


——しかし現実問題として、アプリだけでは実際に結婚相手を見つけるのは難しいということですね。


石坂 結婚を本気で考えているからこそ、信頼性の高いデータとプロのサポートによるアナログ手法がまだまだ求められているのです。


——日本では婚姻組数が年間60万組と年々減少傾向にあります。マーケットの展望は。


石坂 確かに結婚しない層が増加しているものの、晩婚化も進んでおり、生涯婚活も現実化してきました。当社の会員は20〜30代が中心ですが、これから60代まで広がってくるでしょう。


——市場環境を踏まえて今後の展望は。


石坂 当社を利用して成婚まで至るケースは、全体でみると、わずか1%です。まずは当社として2022年までには3%、1万7700組まで増やしていきたい。そのためにも加盟店数を現在の倍以上の5000社にまで増やして行くことが当面の目標です。日本では少子高齢化と人口減少が進んでいます。唯一の解決策は結婚カップルを増やすことです。これは行政が介入できないプライベートな問題なのです。それだけに当社のような民間企業が解決すべきだと考えています。

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