国際的な選手の活躍で注目度高まる稀少な卓球教室のFCチェーン/タクティブ駒井亮 社長

卓球教室TACTIVE

タクティブ(東京都港区)

駒井 亮 社長

かつては地味なスポーツという印象が強かった卓球だが、福原愛さんや水谷隼さんといった世界レベルの選手の登場によって人気に火が付き、今では野球やサッカーなどにも引けを取らないほどの高い人気を誇っている。ブームとも言える盛り上がりを追い風に店舗数を増やしている卓球教室のフランチャイズチェーン「TACTIVE(タクティブ)」を取材した。(※2020年8月号「注目のNEW FCビジネス」より)

駒井 亮 社長(31)

こまい・りょう

1988年11月生まれ。2011年、パソナ入社。2014年、コーチ・ユナイテッド入社。2015年にChatworkに入社し、新規事業担当を経て、2018年7月にスヴェンソンスポーツマーケティング執行役員就任(R&D室室長)。翌年2月、同社取締役就任。2019年、タクティブ取締役副社長COOを経て、現職。

―推計600万~900万人―老若男女、幅広い世代に受け入れられていることもあり、正確な数字を把握するのは難しいが、国内の卓球人口はこの数年、確実に増え続けている。背景には、競技レベルが飛躍的に向上にしたことにより国際レベルで活躍する選手が増え、それに伴いテレビなどのメディアでも頻繁に取り上げられるようになり、卓球そのものが以前よりも身近なものに感じられるようになったことがある。

また、少子化の影響で団体スポーツが組みにくくなり、少人数でできる競技が求められるようになってきた影響も大きい。市場規模も200億円超にまで拡大している。

この成長市場にいち早く着目し、卓球教室のチェーン展開を始めたのがタクティブ(東京都港区)だ。同社はヘアケアサービスを主力とするスヴェンソン(東京都港区)の関連会社の一つで、スポーツ事業を担う部門として2014年に設立された。一見すると、スヴェンソングループと卓球とはまったく関わりがないように見えるが、そうではない。というのも、実は2009年12月に、老舗の卓球用品メーカーであるヤマト卓球(現VICTAS)を買収しているからだ。卓球に関わりのない人にとってはあまり聞きなれない会社かもしれないが、同社は国内シェア3位、世界シェア5位と、業界ではかなり名の知れた会社で、日本代表のサプライヤーなども務めている。グループが卓球人気を追い風に、卓球教室の運営に乗り出すのはごく自然の流れだったと言える。


「スヴェンソングループ」のスポーツ事業を担う

では、卓球教室の市場とはどんなものなのか。数に関する詳しいデータはないものの、個人が運営している教室はかなり昔からあった。だが、そのほとんどは競技志向の強い道場的なもので、一般の愛好家が楽しめる遊技場的なものや、未経験からでも通える教室はほぼないに等しかった。スヴェンソングループはここに目を付けた。もっと幅広い人が利用できる教室を増やしていけば、市場規模はさらに大きくなり、VICTAS自体の売上にもプラスになると考えたわけだ。そして2014年、TACTIVEが設立され、1号店を自由が丘でオープンした。以降、ビジネスモデルのブラッシュアップを進めながら出店を行ってきた。

フランチャイズ展開に舵を切ったのは2018年8月のこと。もともとは直営での展開しか考えていなかったが、香川県高松市と岡山県倉敷市でテニスクラブとフットサル場を運営する常盤産業(香川県高松市)から「加盟できないか」と声をかけられたことがきっかけとなった。子供から大人まで、老若男女が楽しむことができ、それでいて健康増進につながる卓球スクールをやりたいと考えていた同社が、「タクティブ」の存在を知り、問い合わせしてきたのだという。


FC店「タクティブ高松」の様子

加盟対象は法人のみ。これは開業にかかる初期投資が加盟金(100万円)や保証金(100万円)、物件取得費、内装費などを合わせると1500万~2000万円と高額になるためだ。

1教室に必要な広さは、4坪程度の水回り用スペースを含めて45坪。これで設置できる卓球台は4台だ。これとは別に水回り設備をカットしたショッピングモール出店用のプランもある。ロイヤリティは売上の8%。

営業時間は9時~22時(施設内に出店する場合は、施設の営業時間により調整)。利用客層は時間帯により変わり、平日であれば夕方までは主婦や中高年者、夕方は子供、夜は社会人といった具合になる。運営に必要なスタッフは3・5人。基本的には卓球経験者がコーチを務める。

高松教室の場合、利用料は8000円/月。損益分岐は200~220名で、投資回収期間は2年を予定している。集客は口コミやポスティングに加え、YOUTUBEのレッスン動画などを使って行う。

今後の計画について駒井社長は「FCに比重を置きながら、100店舗まで増やす計画です。卓球は人々の健康作りにも役立つので、このビジネスを通じて地域の活性化に貢献できれば」と話す。


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