〝同じ500円の商品でもそれ以上の価値を提供する〞コロナで人材育成の必要性を再認識/アメリカヤコーポレーション/福田大作会長【後編】  

最終更新: 5月19日


アメリカヤコーポレーション

群馬県館林市

福田大作会長(46)


アメリカヤコーポレーションは、主に北関東エリアで「かつや」や「からやま」、「ペッパーランチ」や「牛角」など、10業態で52店舗を運営するメガフランチャイジーだ。新型コロナウイルスの影響も多分に受けている飲食業界で、同社は独自の人材育成に注力することで、より強固な組織を目指そうとしている。昨年の6月に代表取締役会長に就任した福田大作氏に、自社の取り組み、フランチャイジーとしての考えを聞いた。

(※2021年6月号「メガフランチャイジーの経営哲学VOL.12」より)



福田大作会長(46)

Profileふくだ・だいさく

1974年11月、栃木県栃木市生まれ。4歳の時に父親が群馬県館林市に「アメリカヤ靴店」を開業。城西大学を卒業後、靴の販売を3年間経験する。2000年に実家へ戻り、靴の販売を半年間経験。その後は同社のフランチャイズ事業参入とともに、牛角の店長職などを歴任。以降も複数業種の店長職を担当し、2004年に常務取締役就任。2010年に代表取締役社長、2020年に代表取締役会長に就任し、現在に至る。

同社が52店舗まで展開できた要因の一つとして、「多店舗化」の成功がある。現在、展開する10ブランドの内、7ブランドで2店舗以上出店しており、「かつや」については12店舗を出店している。

―多店舗化できた要因としては、何が挙げられるでしょうか。


福田 数値の把握や事業計画書の精査、また個店ごとのPL(損益計算書)をもとに出店を判断してきた点にあると思います。個店ごとのPLについては、牛角1号店を出店した時から毎月行っているのですが、ここへ来てその蓄積が活きてきていると感じています。当社の場合、色んな業態をやっていますが、たまにうちでつけているPLと本部さんでつけているPLにちょっと誤差がある場合もあるので、当社ではPLをすべてフォーマット化して、自社独自のものとして管理をしています。


店舗を出した時点から毎月の数値をちゃんと把握することをやっているので、キャッシュアウトしている店舗があればすぐに分かります。これで複数展開した時のリスクを下げられたのではないかと思います。


▲業員同士の結束も固い

―当然ですが、数値が悪い店舗には指導を行うと。


福田 やはりお客様はとても正直なので、店舗が悪ければ売上は下がる。またそれだけではなく、コスト面の意識もルーズになっていることが多い。たとえば食材が多いので無駄な使い方をしてしまったり、在庫になってしまったりする。また細かなところで言うと、電気の使い方もルーズになっていることが多い。ですからそういった点を細かくチェックするために、毎週お店ごとに数字を見ながら会議をするようにしています。また月に1回の会議は全社員を対象にしており、その中でも数字をもとに会議をしています。


―こうした定期的な会議を行うことで会社の現状や社長の想いなどを社員と共有できることは、組織としてプラスになりますね。


福田 現場の意見をまとめて報告してくれる社員が育成できたことは非常に大きいことだと思います。今はコロナの影響もあってZOOMによるリモート会議にしていますが、それ以前はこの週次や月次の会議とは別に「交流会」というものも行っていました。


そこでは会社側の意見を一方的に伝えるのではなく、部下や現場で働いている人の意見を聞く場を設け、またしっかりとスタッフ同士の横のつながりを作れるようにしています。


―独自の取り組みという点では、御社は評価制度についても非常に細かく分類されていそうですね。


福田 現在の評価制度の仕組みが出来上がるまでにすごく時間がかかりましたが、7年ほど前から現在のような1〜17等級の基準で評価するようになりました。きっかけとしては、やはり年を追うごとに沢山の人に集まってお仕事をしていただくとなったら、評価について様々な意見が挙がってくるようになる。ですから具体的に等級を分け、課題を設け、「これができれば等級が上がります」といった目標設定までを作り、評価を行っています。等級は役員から部長、マネージャーや店長、副店長や主任などにも至ります。


評価スケジュールは第3四半期までに来期の評価人事を会議に上げ、週次会議のメンバーで議論し、評価を決定します。


―コロナによって飲食事業を取り巻く環境が一変しました。競争の激しい業界内で、今後生き残っていくために必要なことは何でしょうか。


福田 いかに「よりいいものを安く」提供できるかがポイントになると思います。厳密にはフランチャイズなので安くはできませんが、お店の清潔感だったり接客の質、料理の状態や提供時間など、いかにいい状態で商品を出せるかによって、同じ500円の商品でもそれ以上の価値を感じていただく。


そしてそのために、当社でもより一層人材の育成を強化していきたいと思っています。ドンドン出店をして売上を伸ばす一辺倒というよりは、既存店を強化していきながら1店舗1店舗、強い組織づくりをしていきたいですね。


―フランチャイズのメリットについては。


福田 本部さんには今まで積み重ねてきた実績があり、我々はそこに加盟することで全部教えていただける。また本部さんは商品の開発をして、我々は人材の育成をするという点では分業されています。自社業態で全部のリソースを割いてやっているとなかなか事業を転換することは難しいですが、フランチャイズであればもし既存事業で何かあった場合、一旦抜けて別の事業をすることができる。


その間も加盟しておくこともできます。そういった点ではリスクヘッジを効かせながら、なおかつ本部の方が開発した武器(商品)をいくつも持てる。そういった点では企業の活動を長い目で俯瞰して見れるので、やりやすい事業だと思います

前編は、こちら



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