受発注から見積書までBtoBプラットフォームを運営、参加企業数は30万社以上、 年間流通金額は8兆円を超える

インフォマート 東京都港区


長尾 收 社長(59)

PROFILE ながお・おさむ

1960年生まれ、徳島県徳島市出身。東京大学法学部卒業後、三井物産入社。1993年、米国コロンビア大学ロースクール卒業、1994年、米国ニューヨーク州弁護士資格取得。MVC(現三井物産グローバル投資)社長、三井物産金融・新事業推進本部企業投資部長、米国三井物産上席副社長等を経て、2017年インフォマート社長に。密教研究のため2016年~2017年、高野山に在住し、現在も高野山大学大学院文学研究科修士課程密教学専攻(通信教育課程)に在籍中。

1998年、フード業界企業間電子商取引プラットフォーム「FOODSInfoMart(フーズ・インフォマート)」を開設、eマーケットプレスを展開してきたインフォマート(東京都港区)。その後、「決裁代行システム」「ASP受発注システム」「ASP商談システム」「ASP請求書システム」などメニューを拡大。あらゆる業種に対応できるサービスを展開し、2015年には東証一部上場を果たした。現在30万社以上がこれらのサービスを活用し、総流通金額は9兆円を伺う。同社の長尾收社長は無対物産で海外・金融事業を長年担当してきた。その経験と既知を活かし、同社を成長軌道に乗せていく。

外食業界向けからスタート

業域拡大し2015年に東証一部上場


─1998年の創業以来、「BtoB」プラットフォームの運営に特化してきました。御社は飲食業界の受発注システムのイメージが強いのですが、近年は事業領域が拡大しています。


長尾 確かに当社はフード業界に特化した受発注システムからスタートしたのですが、今では、「規格書」「商談」「請求書」など7つのプラットフォームで、フード業界のみならず、あらゆる業界の企業に使っていただいています。


─利用企業数は30万社を超えました。


長尾 2019年6月末時点での利用企業数は32万8401社、事業所数で言うと72万9257社、年間流通数は8兆497億にものぼります。この数字は日々更新されており、当社の現状がHP上から一目でわかるようになっています。


─飲食業界に限らず、これまでの商取引は電話やファックス、郵便、相対といったものが主流でした。


長尾 従来、コストと時間をかけていた商行為「を当社のプラットフォームを利用することで、生産しえの向上や時間短縮、コスト削減にも貢献していると思います。


─前期から事業セグメントを整理しました。飲食業界向けというイメージ脱却の一環ですか。


長尾 これまでは大きく4つのでグ麺とがあったわけですが、フード業界に特化したものと、それ以外とで3つに分けました。実際、「規格書」最新の法令や品質管理基準を網羅して安心・安全な食品提供を後押ししょうというプラットフォームです。これを「受発注」と統合してBtoB―PR FOOD事業として、2つをあわせたパッケージ販売を進めていくことになりました。


─外食業界向けサービスは相変わらず順調です。


長尾 買い手側は外食チェーン店やホテルを中心に順調に推移しており、企業数で約2800社です。また、食の安全・アレルギー対応の意識の高まりから、メーカーの利用も増加

しています。


大企業の利用も増える

「電子請求書早払い」サービスも開始


─事業規模の推移を見ると、2015年から2016年にかけて「請求書」サービスを開始したことで、利用者数が一気に3倍近く、流通金額も2倍超と飛躍的に伸びました。


長尾 事業領域をフード業界以外にも広げたことで、多くの企業にも利用していただけることになりました。中でも医療品関連、金融、アミューズメント、IT業界などが目立ちます。以前が中小規模の事業所が多かったのですが、今では大企業にも多く利用していただいています。「請求書」サービスはログイン社数で29万社を超えました。


─「請求書」システムが、更に企業業の省力化・効率化を促している。


長尾 このサービスは文字通り日々発生する請求書の受け取り、発行を電子化するものですが、請求書の作成・発送作業は、中小企業ではたとえ50通でも煩雑な作業です。ましてや本社と支店など事務所が離れている企業はなおさらです。


─電子化することで記録も残りやすい。


長尾 まさしくこれが大きなメリットでしょう。データ化によっておカネの流れがわかるようになる。


─同じようなビジネスモデルはあるのですか。


長尾 国内で同業といわれるのはいくつかあります。しかし、他のプラットフォームと合わせて包括的に利用できるサービスはないはずです。海外に目を向けると、例えばヨーロッパ、フランスでは請求書は政府主導の規格が進んでいますし、アメリカは大企業が取引企業に企画を合わせさせる傾向があり、これを繋ぐ企業もあります。当社は海外進出も本格的に考えていますが、こと「請求書」サービスに関しては難しいかもしれません。


─「請求書」サービス分野では新たな取り組みとして、請求書をワンクリックで資金化できるサービスを開始します。中小企業にとっては資金繰りのリスクが軽減できる。


長尾 GMOペイメントゲートウェイとの協業で、「請求書」サービス利用社に「電子請求書早払い」という売掛金の早期に現金化するサービスです。例えば、取引先からの入金が翌々月末払いの場合、通常60日後に入金される売掛金がGMOから2営業日後に入金されます。


売り上げの95%が月額利用料

ストック型収益モデルを構築


─御社の前期売上は70億円超です。売り上げ高の95%が月額システム使用料で、いわばストック型の収益モデルを構築しています。


長尾 例えば「受発注」では、月額システム使用料として買い手が本部1万8000円、店舗が1300円、このほかにセットアップ費用として最低30万円をいただいています。一方、売り手側は月額システム使用料として、定額制の場合3万円、従量制は月間取引金額の1・2%頂いています。


─ただ、現実問題として、「請求書」システムに関していえば、利用社が30万社あるにも関わらず、まだ「お試し」で無料利用も多い。サービス内容と利用社数を考えれば、もっと売り上げを上げる余地はありそうです。


長尾 こうした利用者をいかにして有償化するかは今後の課題であることは間違いありません。新規利用者は年々増えていますので、様々な施策を考えていく必要がありそうです。


─新規顧客の獲得という点では、7つのプラットフォームのひとつ、「業界チャンネル」はその入り口になりうる。


長尾 これは情報の収集・分析機能と企業のPR活動など、すでに多くの企業に利用していただいています。シンクタンクと共同で各業界の最新動向を提供していますが、これを大きなビジネスにするつもりはありません。


─あくまでも各プラットフォームへの入り口として期待している。


長尾 まずは当社へのアクセスを増やしていこうというのが大きな狙いです。


─中期目標として100億円を目指しています。今後の見通しは。


長尾 当面は売り上げ100億円、営業利益30億円強、営業利益率30%以上にまで拡大させていきたい。そのためには「請求書」サービスを収益の柱に育てていくことが急務でしょう。


─プラットフォームを通じて顧客企業のデータも蓄積されている。これは大きな武器になるでしょう。


長尾 当社の強みは様々なプラットフォームを通じて得られるデータです。これをうまく活用していきたいと考えています。信用力の高いデータが集まれば集まるほど、次のサービス展開がしやすくなる。例えば、「受発注」システムでは発注予測が立てやすくなり、自動発注もできるようになるでしょう。また、これまで業務用では難しかったプロモーション効果も可視化できるようになります。これは当社が仕入れデータを持っているからできることで、こうした、より付加価値を高めるサービスを考えていきたい。

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