中華料理チェーン「浜木綿」主力に41店舗を展開 東証ジャスダック・名証二部上場機に全国拡大目指す

浜木綿

浜木綿(愛知県名古屋市)

林 永芳 社長



林 永芳 社長(70)

はやし・ながよし

京都府京都市出身。1971年、中部大学卒業。株式会社浜木綿入社。1987年より同社・代表取締役社長。

名古屋特集

2019年10月18日に東証ジャスダック、名証二部に上場を果たした浜木綿(愛知県名古屋市)は、東海3県を中心に「浜木綿」など中華料理店を41店舗展開している。2020年7月期の売上高は54億9400万円で前年比5.1%増、営業利益3億500万円を見込む。同社は1967年2月創業の老舗企業だが、上場を機に採用面と設備面の強化を図っていきたいという。(※2020年4月号より)

1967年2月に創業

売上高は54億9400万円に

―現在、3つのブランドで展開しています。

 主力店舗となるのは家族向けの「浜木綿」が30店舗、全室個室の「四季亭」3店舗、少人数向けの「桃李蹊」8店舗を運営しています。

―愛知・岐阜・三重の東海3県を中心にドミナント戦略を進めていますが、東京や大阪にも進出しています。

 4月に関西圏初進出となる「浜木綿 枚方田口店」をオープンさせました。現在、愛知県を中心に岐阜、三重、静岡、滋賀、東京、神奈川の各県に出店しています。これまでは中部エリアを中心に出店を進めてきたが、市場が飽和したため、今後は関東や関西でも出店を広げていきたいと考えています。

―幹線道路沿いの店舗が多い。

 基本的な店舗は150席程度で、駐車場が必須です。一方で、東京は駐車場は必ずしも必要ない。新規出店エリアは商圏15~20万人をみています。あとは住宅地のある幹線道路沿いですね。

―早くから独自の調理オペレーションを確立してきました。

 当社は30年前より、独自のオーダーシステムやセントラルキッチンを導入してきました。そうすることによって、提供スピードの向上や、調理技術の共有化を進め、現在の調理オペレーションを確立してきました。その結果、通常の中華料理店よりも少ない調理人で安定した料理を提供できるのです。

―本格的な料理を安価に食べられるという点で地元では名が知れている。

 客単価は「浜木綿」が約1700円、「四季亭」で約2300円です。セントラルキッチンで材料を仕込み経費を抑えるとともに、点心の皮を作る機械などを中国や台湾から取り寄せて工程を自動化しました。

―一方で現場の調理人の育成にも力を入れている。

 調理はあくまでもアナログにこだわっています。というのも中華料理は料理人の腕によって味が左右されるからです。高い技術を持つ調理人を多く抱えていることが当社の武器になっています。

―主な顧客層は。

 当社がターゲットにしているのは、客単価1500~3000円で、月に1回は利用していただける「ちょっとハレの日マーケット」です。土日祝日を中心にした家族利用に加え、平日の昼の時間帯は主婦層、平日の夜は歓送迎会や忘年会などの宴会利用など、それぞれのニーズに適したメニューを用意しているのが特徴です。6~7年前にはバスを購入し、団体客の送迎サービスも始めました。


―昨年10月からは消費税が増税されました。影響は。

 値上げによる影響は若干ありましたが、非常に限定的でした。というのもメニューのリニューアルや、ふかひれフェアの開催、宴会や法事利用に注力することで売上高を確保で

きたからです。

2000坪規模セントラルキッチン建設

10 年後には80店舗体制に

―創業52年で上場を果たしました。

 10年前から上場を目標にしてきましたが、本格的に準備を進めてきたのは3~4年前です。

―既に地元では知名度と実績が高い御社が上場した目的は。

 新規出店を更に進めていくことはもちろんですが、優良な人材の採用と教育、設備投資を強化していくという面が大きい。

―設備面ではセントラルキッチンの拡充を予定している。

 現在のセントラルキッチンの容量がいっぱいとなったので、増設して店舗への食材調達能力を高めていきます。新施設は今までは400坪規模だったものを、一気に2000坪の敷地に作ることになります。完成すれば120店舗まで対応することが可能になります。稼働は2021年を計画しています。

―新規出店計画は。

 2020年7月期は、「浜木綿」3店舗の出店を計画しています。家族層の利用に加え、主婦のランチ需要やサラリーマンの宴会需要を狙っていきます。以降は年2~3店のペースで出店していきたい。10年後には現在の倍に当たる80店舗体制にするとともに、売上高も2倍の100億円を目指していきたいと考えています。

―直営での出店になりますか。

 基本的には直営店で出店していきます。一部にFCはありますが、これはもともと当社で働いていた人が独立してオープンさせたケースです。

―大都市圏での出店となると、競合も多い。

 実は中華料理店は競合していません。実際、東京の店舗のお隣は餃子の王将です。客層が違うため棲み分けができているのです。強いて挙げるなら、個室もあってゆったりできる店舗という意味では、木曽路や、かに道楽あたりでしょうか。ただ現状では、なかなか当社が求めるような物件を見つけることは難しい。また、都心部でとなると、もう少しアルコールとの相性を考えた業態に変更する必要があるでしょう。

豊富なメニューを用意

小規模の新ブランド店舗開発し

女性客ターゲットにヘルシー料理提供

―近年は、新たなブランドとして「桃李蹊」の出店にも力を入れています。

 「桃李蹊」の標準店は約40坪の50席がベースで、「浜木綿」と比較すると店舗規模も小さく、出店しやすいということもありますが、当社として「桃李蹊」は今までにない、新しい「中華料理店」を追求する店舗といった位置付けで展開しています。「中華をもっと楽しく、野菜多め、油控えめでヘルシー」をコンセプトにしています。

―中華料理は脂分が多く、避ける人も多い。

 このため、「浜木綿」でも新たに、「素菜料理」というヘルシー志向向けのメニューも投入しました。これは精進料理の台湾版で、スープの出汁にまで魚肉類は使用しないのが特徴です。

―外食産業では人手不足が深刻化しています。何か対策は。

 もちろん、調理人などの育成を進めていくことが重要です。中華料理はすぐに覚えられるものではありませんし、その教育期間を鑑みて採用していく必要があります。

―人手不足による労働環境の悪化により、人件費は増加傾向にあります。


 その対策としてタブレットメニュー導入による効率化と、オペレーション変更等による作業改革を図り、人事売上高について前期比30円の改善を見込んでいます。


―セントラルキッチンによる生産性の向上も課題の一つ。

 現在、食材は70%が他の業者から収めています。これをセントラルキッチンで加工して店舗にまでもってきているわけですが、この比率を50%までもっていくことで更なる生産性向上を進めていきたいと考えています。

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