不動産×金融×IT融合した不動産チェーン 47都道府県全てに出店し加盟店数は669店/ハウスドゥ/安藤 正弘 社長


ハウスドゥ

東京都千代田区

安藤 正弘 社長(55)


コロナ禍で売上減のFCも多い中、ハウスドゥ(東京都千代田区)は昨年比増で不動産売買取引数を伸ばしている。加盟店は10月末で669店、47都道府県全てで加盟店契約を達成した。2015年からは不動産取引のデータベースを活用した金融業にも参入。勢いに乗る同社のジネス戦略、今後の展望を聞く。(※2021年2月号「強いFC本部に聞く」より)



安藤 正弘 社長(55)

Profile あんどう・まさひろ

1965年京都市生まれ。91年に不動産仲介業を創業し、2009年に現在の株式会社ハウスドゥを設立。先行して2006年から展開する不動産売買仲介の「ハウスドゥ!」は現在669店。不動産業と連携した金融サービスも展開し、これらのサービスモデルを武器に国内1000店舗体制を目指す。

コロナ禍でも売買仲介は盛況 低金利も好調な要因の一つ


総合不動産業のハウスドゥが展開するフランチャイズブランド「ハウスドゥ!」は、不動産売買・仲介・リフォームからハウス・リースバック、リバースモーゲージなど不動産金融を含む幅広いサービスをワンストップで提供している。


コロナ禍においても不動産仲介などの業績は好調で、2021年度6月期第一四半期では過去最高を更新、利益も前年同期を上回っている。緊急事態宣言下で休業する同業他社も多いなか、同社の直営店では昨年比で見ても客足が全く落ちなかったことから、全店で営業を続けたことが奏功した。3〜4月にかけては不動産の仕入れも積極的に行い、30〜70億円かけて物件数を増やしている。


安藤正弘社長は話す。「不動産業は自粛対象ではなかったので、通常より広告を増やし、逆に〝攻めた〞結果、当社にお客様が集中したようです。家が欲しいという人は潜在的にいつでもいるものです。日頃忙しくて家探しできなかったのでじっくり探せて良かったというお客様の声も聞きました。また低金利も売上が好調だった要因の一つです。今後も低金利が続く限り、家はまだまだ売れると思います」。


現在のチェーン店舗数はオープン準備中も含め669店舗(2020年10月末現在)。月10店ペースでネットワークを拡大し、47都道府県すべてで加盟店契約を達成した。国内不動産仲介売買のフランチャイズでは店舗数1位だ。


中小企業の課題であるブランド力や差別化されたサービス商品の開発力、デジタル化への対応などに限界を感じてフランチャイズを利用するケースも多い。契約者を業種別で見ると、建築・リフォーム業など不動産業関連が最近、2割から4割近くまで増加している。


異業種から参入した加盟店にはwebコンテンツや学習会、直営店での集客方法なども用意し、店舗運営をサポートする。ただ、飲食業界のフランチャイズなどと違い、マニュアルなどで細かく規定を設けず、同社のサービス商品を比較的に自由に活用してもらうスタンスをとっている。


「加盟店には月々ロイヤリティ10万円を払っていただくこと、不動産取引例のデータ入力をお願いしています。また創業以来のノウハウもお教えしますが、すでに知識があり、ある程度我流でやりたいという方はそれも認めています」(安藤社長)。


他の不動産業フランチャイズに比べ、1店舗で3〜5万世帯とエリアを絞り、営業活動を行う。最近はエリア内でのチラシ配布に加え、webでの集客に力を入れている。10秒査定や実際のデータを使った買い替えシミュレーションなど、HP内にはスマホでも使える便利な機能も用意し、DX化することで顧客を囲いこむ。


「将来は、建具の調整やトイレのつまりなど、売買仲介だけでなく住まいに関するあらゆることが完結する窓口としての役割を担いたい」(安藤社長)という。


▲2021年1月以降店舗デザインも一新

全店舗の取引事例を集約 本社でデータベース化


不動産仲介業からスタートした同社の大きな強みが、日本全国の加盟店舗で担当者が入力したすべての不動産取引例の情報を本社で集計・データ化していることだ。これはアメリカの不動産情報プラットフォームにヒントを得たものだという。


「私はアメリカ視察の際にこれを目にして、こうした地元の生の情報を集めたプラットフォームは当社にとっても必要だと確信しました。C化とともにデータを集められたら良いなと思い、創業時は手作業でやっていました。今、このような膨大な不動産のデータベースを持っているのは日本でも唯一、当社だけだと思います」(安藤社長) 。


このデータベースを活用し、同社は近年、ハウス・リースバック、さらには金融機関と連携した不動産金融業に注力している。

2013年にスタートした「ハウス・リースバック」では、高齢者の所有する不動産物件を同社が買い取り、売主はリース契約により賃料を払いながら、一生住み続けられるというサービスを打ち出した。


さらに2016年には不動産担保ローン、2017年にはリバースモーゲージの分野にも進出した。これらのサービスでは同社は物件の査定・保証を行い、貸付は銀行・信金が行う。リバースモーゲージとは、高齢者が持ち家を担保に老後の資金の貸し付けを受けられる制度だ。

「操業規制があり、我々ノンバンクは一般の方には与信できませんが、長年培った不動産の査定力とデータベースで金融機関ができない保証業務を行うことで、一般の方々が金融機関でお金を借りられます。日本の高齢者は不動産はあっても現金のない方がたくさんおられるので、銀行の資産を活用して貢献していきたい。ある程度のデータがないと参入は難しいですから、非常に優位性があると思っています」(安藤社長)。


現在、リバースモーゲージを長年積極的に取り扱っている東京スター銀行をはじめ、地方行・信用金庫など21の金融機関と提携。開始から約3年で累計契約件数が400件を突破している。


2025年にFC1000店 金融ビジネスが次の柱


同社は2025年までにFC1000店目標としている。「レントドゥ!」「住宅情報モール」など様々なサービス商品を展開するため、全ブランドの加盟店数は将来、1200〜1300店を見込んでいる。 また、リバースモーゲージを含む不動産金融業を次の事業の柱としてもっと拡げていきたいという。


「5〜10年後くらいで、提携する金融機関を大幅に増やしていけたらと思っています。またテクノロジーを活用し、すべての不動産担保の枠をとって、オンラインでお客様が自由にお金を借りられる時代を作りたい。人を介さず、たとえば5000万円の不動産で3000万円まで出し入れ自由、そして借りた日数分だけ金利が発生するという仕組みです。当社は各店舗の担当者が入力したデータベースを元にマネタイズしていますので、加盟店の皆様にはできるだけ良いサービスを提供していきたいと思っています」(安藤社長)。




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