アメリカ大手ホテルチェーンFCで全国展開 自社ブランドとの両輪で95棟1万3485室を運営

グリーンズ(三重県四日市市)


村木 雄哉 社長(46)

むらき・たけや

1973年三重県生まれ。青山学院大学卒業後、富士屋ホテル等を経て1997年、グリーンズ入社。2001年9月取締役。2004年9月常務取締役。2013年9月専務取締役。2018年グリーンズ代表取締役社長に就任。

「コンフォートホテル」、「ホテルエコノ」、「ベストイン」などのブランドで、全国95カ所、1万3485室のホテル運営を展開しているのが、グリーンズ(三重県四日市市)だ。同社は2018年にこれまでの東証・名証二部からそれぞれ一部銘柄に昇格。ホテル需要を追い風に国内で有数なホテルチェーンを目指し、積極的な出店を続けていきたいという。

2018年に東証一部上場果たす

2022年までに売上385億3000万円


同社の2020年6月期の売上高は、前年比5・9%増の327億1800万円を見込む。ホテル運営の重要な経営指標となる客室稼働率は現在約80%。平均客室単価は約7100円。

「今は成長投資の段階で、売上高は2022年には385億3000万円、客室数は1万5500室にまで拡大させていきたい。さらに5年後には売上高500億円、客室数1万8500室にまで拡大させていくことが当面の目標です」。同社の村木雄哉社長は話す。

今年は春には沖縄県石垣島に「コンフォートホテル石垣島」を皮切りに、2021年春までに6棟の新規開業を計画している。

同社が運営するホテルは、アメリカを本拠とするグローバルチェーンの「チョイスホテル事業」と、自社ブランドによる「グリーンズホテル事業」の2つ。

前者は「コンフォートホテル」を中心とした宿泊特化型ホテルで、世界40カ国7000軒以上を有するチョイスホテルズインターナショナルというグローバルホテルチェーンのフランチャイジー。一方、後者は宿泊特化型に加え、宴会場・レストランを兼ね備えたフルサービス型と、独自ブランドで幅広く展開する。

「2つの異なるスタイルのホテルによって、双方の特性を融合し様々な立地やマーケットに応じた運営ができるのが当社の強みです」(村木社長)。

チョイスホテルズは、「コンフォートホテル」のほかに、「クオリティ」「スリープイン」などのブランドも持つ。アメリカ仕様を日本風にアレンジはできるが、立地や建物の規模といったFC としての制約がある。このため、「チョイス社の規格に合わないものは、当社独自ブランドとして展開しています」(村木社長)。

実際、東京・阪等大都市圏の駅前好立地には、「コンフォートホテル」、同社が本拠を置く三重・愛知・北陸地方は「ホテルエコノ」と出店の棲み分けを行っている。

「当社独自ブランドでは、例えば地域特性を生かした朝食メニューの提供など、オリジナリティを打ち出している」(村木社長)という。

現在、95軒のうち「コンフォートホテル」は63カ所、32カ所が「ホテルエコノ」はじめとする独自ブランドだ。


米国チェーンのマスターフランチャイジー

約60年前に駅前旅館からスタート

2003年チョイスホテルズと提携


同社は、1957年に駅前旅館からスタート。1泊食事付が普通の当時では珍しい泊食分離を打ち出したことで、好評を博した。1969年よりビジネスホテルに転換、以降、東海3県を中心に他店舗化を進めてきた。

転機となったのは1998年頃のリーマンショックだった。「業績が悪化し借入金が非常に重くなった。そのため、当時所有していた物件を順次売却し、賃貸に切り変えることで、事業の再生を図りました」(村木社長)。

2003年にはチョイスホテルズとマスターフランチャイズ契約を締結し、本格的な全国展開を開始した。

「再生が終了し、世界的なブランドを手に入れたことで、次の成長戦略を描いたとき、資金調達はもちろん、一般的信用度、ガバナンス強化などを目的に上場を目指していこうと考えた」(村木社長)。2014年のことだった。

現在、同社は2019年から「GREENS JOURNEY 2022」という中期経営計画を推進している。

「この計画では、107億円もの投資を見込んでいます。そのうち、ホテルの改装や新業態開発などの戦略投資が約42億円、新店舗開発にかかわる投資が約58億円です」。

新規出店に関しては、全国の政令都市や中核都市で、最寄り駅徒歩5分圏内が原則、建物は延べ床面積800~2000坪。客室数は80~300室が目安。

ホテル運営の形態は、土地・建物所有者から建物を一括賃借し、毎月定額賃借料を支払う「固定賃料方式」、業績に応じて賃借料を支払う「変動賃料方式」、運営委託費を受け取る

「運営委託方式」がある。同社はそのいずれも対応できる体制を整えている。

ホテル業界は今後も新規参入者も増え、競争はさらに激しくなることが予想される。

「しかしながら、当社は宿泊特化型・中間料金帯で着実に収益を上げ、手堅く成長してきました。60年以上積み重ねてきたノウハウは他社にはないもの。これを生かしつつ、時代にあった施設運営を模索していきたい」(村木社長)という。

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