【後編】台湾発ティーカフェを7年間で122店舗出店/Gongcha(ゴンチャ)

店舗規模は8坪から40坪まで、立地に応じて柔軟に


ゴンチャジャパン

東京都港区

角田淳社長兼CEO(51)


2006年、台湾で誕生したティーカフェ「Gongcha(以下:ゴンチャ)」。2015年にゴンチャジャパン(東京都港区)が設立され、日本に本格的に進出した。以来、空前のタピオカブームにも乗り、国内では急速に出店を増やしてきた。ブームの終焉とコロナ禍にあっても順調に店舗を拡大、2021年7月には100店舗に到達、今年5月末時点で122店舗を展開している。ティーカフェブランドとしては国内最大級となった同社。目指すべきターゲットを、コーヒーカフェを含め7000億円市場ともいわれるプレミアムカフェ市場に置いており、更なる成長戦略を描いている。

(「ビジネスチャンス」2022年8月号【巻頭Interview】より)

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角田淳社長兼CEO(51)

PROFILE:つのだ・じゅん

1971年3月25日生ペンシルべニア州立テンプル大学卒業後、大手自動車メーカーに勤務。その後独立し、スポーツや音楽イベントの企画やマネジメントに携わる。約10年間スポーツマネジメント・マーケティングに携わり、2010年に日本サブウェイに入社。マーケティング・経営企画などを経て、2016年、社長に就任。2021年、ゴンチャジャパン代表取締役社長兼CEO。


 

同社が意識しているプレミアムカフェというマーケットには、スターバックスに代表されるコーヒーカフェも含まれ、7000億円市場規模と言われている。うち550億円規模がタピオカ含むプレミアムティー市場だが、同社は親和性の高い3000億円規模のデザート系ドリンク市場にフォーカスを当てているという。幅広いお茶の楽しみ方を提案し、新たな市場も開拓していく考えだ。

 


顧客は10〜20代の女性が

80%アジアの「お茶」文化浸透に注力




――ゴンチャの顧客層は10代、20代の女性で約80%を占めているといいます。コーヒーと同じ市場で戦うには、顧客層を広げていく必要性があるのでは。

角田 当初我々が考えていたのはコーヒーとお茶とは市場が違うということでした。しかし調査していくうちに一緒だとわかってきました。そう考えると、最大で7000億円くらいの市場規模がある。そのうち3000億円くらいが、フラペチーノに代表される、スイーツとカフェの狭間のプレミアムデザートドリンクの市場だと考えています。ここがゴンチャの魅力が一番伝わりやすいカテゴリーだと思っています。ただし、プレミアムティーやタピオカだけだと市場規模がまだまだ小さいので、緑茶やほうじ茶といった日本でのお茶文化をベースに、広く展開していきたい。日本では砂糖を入れずにストレートに飲むのが基本ですが、アジア圏では甘くしたりとかミルクを入れたりとか、タピオカやナタデココをトッピングしたり幅広いお茶の楽しみ方がある。これら新しいお茶の楽しみ方を紹介していく。これはコーヒーにはないアジア独特の文化だと思っています。


――今後ティーカフェも含めて市場は広がりますか。

角田 広がる可能性はあると思います。コーヒーを飲めない人は一定の数います。こうした方のニーズも取り込めるのではと思っています。新しいお茶の楽しみ方として一部タピオカブームも寄与したと思います。コーヒーの他に「ティーカフェ」というチョイスも用意して、これまで縁がなかった人たちが使っていただけるような場所にしたいと思っています。


――カフェに縁がない層を増やすための施策は。

角田 まずは広くお茶の魅力を伝えていく。そもそも普段からお茶は皆さん飲んでいらっしゃると思うので、その延長線上にカフェで飲めるお茶を提供して皆さんにご利用いただきたいというのがあります。


――そういう意味で参考にしている企業はありますか。

角田 例えばスターバックスは禁煙店舗として日本に進出しました。当時の日本の喫茶店の常識でいうと禁煙だと上手くいかないというのが、大半の人の評価だったと思います。ではどういう人達がスターバックスを利用し始めたかというと、男性ではなく女性でした。これはスターバックスさんが何を大事にしているのかだと思います。そこのニーズが、日本国内でコーヒー店を展開する中で目をつけていなかった。ですので、ゴンチャの強みもそこにあるかなと思っています。今一番支持してくれる人達はこれから成長していく人達なので、ブランドも一緒に成長していけると思います。お茶の新しい自由な楽しみ方を体験していただくことが今は重要だと考えています。


――ゴンチャはタピオカブームが成長のエンジンになったことは間違いない。重要なのはブームからどう定着させていくかでしょう。

角田 文化が創れるかどうかがブランドとして日本で成長できる一番の鍵だと思います。――新たな仕掛けも必要になるでしょう。角田季節限定商品をはじめ、マーケティングに基づいて年間の新商品のサイクルを作っています。日本は四季がありますので、それぞれに合うテーマ、ストーリーのある商品作りを進めてきました。


――日本でローカライズした商品開発はされていますか?

角田 季節限定商品に関しては日本のお客様を意識して日本で開発しています。韓国のゴンチャは今700店くらいで面白い商品もあるのでチェックはしていますが、グローバルだからこれをやれというのはない。日本で開発した期間限定の「ほうじ茶ミルクティー」は、日本ですごくヒットしたので、逆に海外でも展開された例もあります。日本の売上規模は全体の20%グローバルでの存在感高まる


――グローバルから見た日本での位置づけは。

角田 ゴンチャはグローバルで1700店舗あり、日本は122店舗です。しかし、こと売上に関しては、日本はグローバルに占める割合が20%を超えています。ですので、日本がゴンチャの成長を引っ張れるというやりがいというか、モチベーションとして一つあります。


――グローバルでの日本の存在感は大きい。

角田 開発チームも比較的強く、各ディベロッパーさんからも良い立地を紹介いただいています。やはりコーヒー店はたくさんありますが、お茶のブランドって数えるほどしかない。それでまず当社に声がかかる。


――フランチャイジーはどのくらいですか。

角田 現在28社くらいです。1社あたりは平均3店舗くらい。直営店は店舗です。商業ディベロッパーはじめ、多業種多業態の企業に参加いただいています。「ティーカフェ」は新しく、魅力がある。上質なお茶を気軽に楽しむスタイルに共感して加盟いただくことが多い。


――直営店舗は、敢えて重要エリアに絞っているイメージです。

角田 特に東京と大阪を重要視しています。我々がブランドを作っていく上で直営店は必須だと思っており、最大20%ぐらいの割合で展開していきたい。


――中長期での出店計画は。

角田 出店目標は特においていません。我々はやっぱり文化を作っていきたいと思っていますので、確実に1店舗あたりのファンの数を増やしていくというのが今の目標です。現状では新しく9店舗オープンしました。年内に予定しているのが全部で店、あと7店は出店が確定しています。


――出店エリアはやはり大都市圏になりますか。

角田 まだまだ小さいブランドですので、あまり全方位で一気に出店すると適正なサポートができません。ある程度エリアを絞って確実にやっていきたいなと思っています。


――店舗の規模は立地によって変わってくる。

角田 スタンド型の席のない8坪、10坪程度の店舗も出店していきたい。もちろん席のあるカフェ型のものも出していきます。店舗の規模に限らず、利便性の高い立地に適した出店を進めていく。そこがゴンチャの強みでもあります。


――商業施設にも出店している。

角田 ただ商業施設でもフードコート内ではない、どちらかと言うとアパレル店寄りの立地が理想です。


――フランチャイジーとしての条件は。

角田 継続的に運営できる基盤というのはもちろん、それと同じくらいブランドを作っていくというマインドが一番大事で、それがないと逆にパートナーとしてはやっていけないでしょう。


――結局、企業の理念に賛同できるかできないかが重要になる。

角田 短期的なリターンだけを求められる方は難しいでしょうね。理念のところで共感していただいて、ご理解いただく、そこが最優先です。長く文化を一緒に作って継続的な適正利益を確保する、というところを共感していただける、そういったパートナーと直接お会いしてお話させていただいています。




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