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【ストレージ・ゼロ】Face ID式入退店を採用した無人古着屋がFC出店

公開日:2025.06.17

最終更新日:2025.06.17

※以下はビジネスチャンス2025年6月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

会員登録と週1回の店舗作業でオペレーションを容易に

 クイークが展開する鰻店「鰻の三谷」は、愛媛県や香川県、広島県など瀬戸内地方を中心に出店しているが、今後は全国へ展開していく方針だ。2021年に開業し、現在は9店舗(内FC4店舗)運営している。昨年FC1号店をオープン、FC展開を本格化した。本社は高知県だが、以前行っていた別事業を瀬戸内地方で展開していたことから鰻の三谷も同エリアに出店。昨年10月に鰻の味付けをリニューアルしており、他社との差別化を確立させ、満を持してのFC展開を図る。

顔を撮ることが盗難防止に

 同店は Face IDを使った入退店が特徴の無人古着屋だ。無人業態の古着屋は他にもあるが、盗難が相次ぎロストありきでの経営になっていると中畑社長は語る。それに対処するため、同社では顔認証をすることで入退店ができる形態を採用。店舗入り口にあるカメラで顔を読み込むことで、入り口のドアが開錠され入店できる。店内側にもカメラが設置されており、退店の際も顔認証することでドアが開く。また、店内にはくまなくカメラを設置することでセキュリティレベルを上げている。
「このシステムで開業してから盗難被害は1件もありません。商品の金額は1000~2万円で無人店では他に見ない価格帯です。顔を撮るということが盗難防止に繋がっていると思います」(中畑社長)
 1日の来店数は50人ほどで、客単価は5000~1万円だ。加盟者は週に1度、店舗にて商品の補充や整理、清掃作業があり、加えて来店者の顔認証登録を毎日行う。オーナー1人でも運営できるオペレーションの手軽さは魅力の一つだ。

年内の20店舗達成を目指す

 初期投資は10坪の広さを想定した場合、500万円程を見込んでいる。内訳はレジのシステム導入が170万円、カメラの顔認証システムが200万円、ドアの電子錠が50~150万円、商品の仕入れが100万円となる。そのほかに物件取得費と内装工事費が必要だ。店舗の広さは10坪以上が目安になる。立地にはこだわりがあり、たとえば学生が多く通行する通りの路面店などが、古着屋と相性のいい場所だという。横浜店の周辺にも専門学校や塾があり、学生が面白おかしく入店すると見込む。
 月商は50~100万円ほどで、営業利益が40%ほどとなる。50%が家賃や光熱費、原価など、そのほかにロイヤリティが10%かかる。投資回収は1年程を見込んでおり、10坪の広さの小樽店では半年で投資回収ができたという。
 仕入れは大半を輸入古着専門の国内卸業者から行っているが、一部ヴィンテージについては海外から仕入れている。加盟店においては、本部を通じて仕入れを行えるほか、本部から仕入れ先の紹介も行っている。
 顔認証システムによる利点はセキュリティ面だけに留まらない。売れ行きや購買層などデータが蓄積されるため、商品の陳列をブラッシュアップでき、経営の展開について本部がコンサルのような形で関わっていく。また、そのユニークな形態が地域活性化にも繋がると中畑社長は期待する。
「直営店のある小樽は過去50年の中で人口減の比率が北海道の中でも高い地域です。それでも商売として成立しましたし、そういった地域にとって革新的な店舗になると思います。話題性を呼ぶことで地域の活性化に繋げていきたいです」
 北海道から福岡まで全国から引き合いが来ており、今後のFC店拡大を目指す。

店舗には国内外から仕入れた古着が並ぶ

ストレージ・ゼロ
ストレージ
北海道小樽市
中畑 大樹社長(44)

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