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【スカイスクレイパー】事業拡大に挑むフランチャイジー(Case 4)

公開日:2023.08.09

最終更新日:2023.08.14

※以下はビジネスチャンス2023年8月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

 本章では、運営店舗数が店舗前後のフランチャイジーのトップインタビューを掲載する。これらの企業は既存ブランドの運営が安定し、今後は新規加盟などを検討して店舗数を増やす段階だ。メガフランチャイジー直前の企業に、店舗数拡大への道のりやブランド選定の基準を聞いた。

スカイスクレイパー (群馬県太田市) 西牧大輔社長(53)

1970年生まれ。兵庫県姫路市出身。平成5年に「カレーハウスCoCo壱番屋」の加盟店であるジャイロに入社。1996年に群馬県太田市で独立し、同年12月にスカイスクレイパー(当時:西牧)を設立。現在に至る。
加盟ブランド:カレーハウスCoCo壱番屋、ラーメン大戦争

 

 

 

創業時は人材確保の問題から経営苦難 人材育成に注力し、営業利益が向上

 スカイスクレイパーは現在、「カレーハウスCoCo 壱番屋(以下: ココ壱)」を店舗、「ラーメン大戦争」を2店舗展開するフランチャイジーだ。西牧大輔社長はココ壱の独立制度を使って1996年に独立。紆余曲折を経て店舗を増やしてきた。2024年には社長交代が控えている。

2年で14店舗を出店 人材確保問題に直面

 

―西牧社長は「ココ壱」の加盟店に入社後、独立してフランチャイジーとなりました。
西牧 私は大学生のときに、ココ壱でアルバイトをしていました。バブル世代のチャラ男だった私は、30歳までに社長になって、50歳で3億円を持って引退するという目標がありました。社長になったらモテますし、一生働いていたくないという思いがあったからです。ただし、50歳で定年して退職金3億円という条件を叶えられる会社があるわけもなく、独立するしかありませんでした。そんなとき、当時の店長が独立を目指していることを知ったのです。店長に詳しく聞くと、ココ壱には独立制度があって、貯金がなくても独立できると言います。私にぴったりだと思い、旅行会社の内定を取り消し、アルバイト先の社員になりました。そこから3年ほど修業し、直営店を譲渡してもらう形で歳のときに独立を果たしました。
―1号店の運営は順調でしたか。
西牧 お客様第一の運営を徹底したので、客足が伸び、業績はとてもよかったです。しかし、開業2カ月後に譲渡前からいたスタッフ全員が辞めてしまいました。私がお客様第一に対する強いこだわりを持つ一方で、スタッフが譲渡前とのギャップを感じ、ついてこられなくなったのです。
 また、当時は儲かるなら全国どこでも出店すれば良いという考えだったので、本部からの出店紹介を断りませんでした。その結果、2005〜2006年の2年間で14店舗を増店しました。そうなると店長は14人、退職や独立する方もいるので少なくとも18人は必要です。資金繰りも大変で、ランチタイムの売上を即入金して会社を回す毎日でした。クレームも多発し、店は赤字。スタッフやお客様にも迷惑を掛け、無理な出店は誰も幸せにならないと気づき、いったん出店を止めました。
 そのときは人材確保にも苦労しており、他社が雇わないような人も雇っていました。モラルに欠ける方、マナーがなってない方など、社会性に欠ける方々です。その結果、数年に渡りレジ金を盗まれたり、部下に暴力を振るったり、極めつけは自社の店舗に目出し帽を被って強盗に入る幹部まで現れました。当時は「ブラック社長とブラック社員のいるブラック企業」でしたね。しかし、社員たちに将来像を聞くと、「家庭を築きたい」「福利厚生がしっかりした会社で働きたい」と、まともなことを言います。それなら、自分たちが変わるしかない。「私も変わるから一緒に変わろう」と、ブラックを抜け出す決意をしました。そこからはモラルとマナーにこだわり、人間性を重視した採用や教育を行っています。現在は、会場を貸し切ってパートやアルバイトに向けた勉強会を開催しています。

若い世代が活躍する職場

人を育てるための投資は厭わない

―西牧社長がFC運営で最も大切にしているのが人材育成ですね。
西牧 商売に必要な要素としてよく「人・モノ・カネ・情報」と言いますが、このうちジーが行うのは人だけです。実は以前、自社業態で牛タン屋を立ち上げたことがあります。そのときは、店舗レイアウトやメニュー開発、価格設定や販促物などを全部自分で決めていました。しかし、大家は物件を貸してくれず、本当に大変な思いをしました。その点、FCは店づくりや運営の方法を教えてくれますし、ブランド力のある看板も貸してくれます。そのため、人の問題さえクリアできればFCは上手くいくのです。
 当社はコロナ禍で4期連続の営業赤字ではありましたが、人材に投資できない会社に未来はないと思い、年12回で1400万円の経営指導を依頼しました。高額ではありますが、7回目の受講が終了した時点で、もとが取れたと感じています。なぜなら、従業員それぞれが進化し、アルバイトやパートまでが原価や人件費を考えて作業するようになったのです。不要なエアコンを消す、お湯を使わないなどの積み重ねによって、現在は営業利益が上がってきています。
―ココ壱を中心に拡大してきましたが、昨年には「ラーメン大戦争」も出店しています。
西牧 現在は、神田と水道橋に2店舗を出店しています。ラーメン大戦争は関西発祥のブランドで、大阪の店舗では大行列ができています。それをみて当時の専務が主導し、幹部の経営の勉強のために加盟しました。オープン当初は行列ができたものの、その後の売上は大赤字です。味は良いのですが、関西ダシが関東では流行らないのでしょう。専務が当事業から降りたので、私が引き取ることにしました。現場に行くとフードロスが多く、シフトの効率も悪い。この部分の見直しを図ることで、現在はようやく利益が出るようになりました。ラーメンは夏の売上が落ちやすい業態です。今後は夏に向けた冷やしラーメンの開発を自社で行います。また、神田店にはグランドピアノがあるので、子どもが演奏すると1杯サービスといったキャンペーンを行うなど、子どもの将来を応援しつつ、新規顧客獲得を目指そうと思います。
―今後の展開を教えてください。
西牧 来年5月に社長交代をします。新社長は15歳のときからアルバイト、現在はフリーターとして働いている諸沢莉乃氏です。おじさん同士でバトンタッチしても面白くないので、21歳の彼女に任せることにしました。特にココ壱は、独立制度があることから従業員の年齢層が若いのが特徴です。当社の社員も若く、広報室室長は24歳、課長は26歳です。社長と役員が同世代の方が、従業員も意見を言いやすいと思います。従業員みんなが社長交代を応援してくれているので、今は過去最高の雰囲気です。雰囲気がよいところには人が集まります。そのため、現在は採用も上々です。新社長の目標は、スムーズな社長への移行とスタッフ満足の追求です。将来的には、ココ壱の加盟店で店舗数1位を目指します。

現社長の西牧大輔氏(左)と次期社長の諸沢莉乃氏(右)

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