【おウチdeお肉】コロナ禍で話題沸騰となった肉の無人販売所
公開日:2024.02.22
最終更新日:2024.02.22
※以下はビジネスチャンス2024年4月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
商材を見直し、再出発を図る
ピンクのネオンサインが輝く店内で、冷凍のユッケや馬肉しを600円~ 800円、ハンバーグに関しては4500円で販売する24時間無人販売所「おウチdeお肉」。コロナ禍も追い風となり最大で257加盟、142店の出店まで急成長したが、コロナが明けると30店舗まで減少。無人業態に翳りが見え始めた。逆風が吹く中、デザートアイスなど新たな商品を加えて巻き返しを図る。
人気YouTube ch出演でコロナ禍一気に142店舗まで拡大
「第2のコンビニ」を標榜し、コンビニやスーパーに並ばない食品が買える時間無人販売所を展開する「おウチdeお肉」(愛知県名古屋市)。林眞右社長は、人気 YouTubeチャンネル「FC版Tiger Funding」に出演し、無人店舗の可能性をPR。コロナ禍で飲食店や小売店が軒並み売上を落とし、新たな柱を模索していた状況と相まって加盟希望者が殺到した。その結果、2021年月に1号店をオープン以降、年足らずで全国180店舗の展開が決定した。FC店の中には1か月で450万円を売り上げるほどの超人気店となった。
しかし、2023年5月、コロナが5類に移行すると状況は一変する。これまで自粛を強いられてきた飲食店が再開。スーパーやコンビニも馬刺しやユッケなど、同店の主力商品の取り扱いを開始した。
「コロナ期間中、飲食店やコンビニが自分たちの動向を見ていた。コロナが明ければ、手を打ってくる。それは分かっていたのですが…」。林社長もコロナ後の状況は予測していたものの、有効な手立ては打てなかった。このような状況の変化で、加盟店によっては売上が半減し、不満を露わにするオーナーも現れた。
こうした動きに対し、林社長は「コロナが明けたら需要は減少するが、固定費は安いから赤字にはなりません。来店してもらえる商品を揃えるべき」と、加盟店オーナーに必死で訴えた。
アイスやデザートを加え半有人システムを導入
以前、林社長はトレーディングカードのネットショップを運営していた。そこでは24時間365日、注文が入る。自動で販売するのはネットショップも無人販売所も同じ。仕組みを作り、コロナ禍に無人販売所で販売するなら何と考えた時、冷凍肉にたどり着いた。同社では50アイテム以上、400のラインナップを揃えている。この中から商品をセレクトして陳列することで、「何が置いてあるだろう」とコンビニ感覚で来店してもらえるようになる。これが林社長の当初の目論見であった。
とはいえ、YouTubeチャンネルで瞬く間に注目を集め、ビジネスモデルが浸透する前に次々と出店が続いてしまった。
「目的来店になってしまう、『無人』の言葉がよくなかったと思っています。コンビニのようにふらっと立ち寄れる名称にするべきでした」
同店の経験を踏まえ、林社長は新たな業態を開発した。新業態「不思議の国のアイス」で、24時間無人販売所という枠組みを外した。
「アイスとしてブランディングするので無人は謳っていません。店舗によっては半有人システムを導入しますし、24時間営業ではない店舗もあっていいと考えています」
同ブランドは3店がすでにオープンしており、別途加盟契約も2件成立している。
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