• HOME
  • 記事
  • 【売却の窓口】建物状況調査や瑕疵保険で物件価値を向上

【売却の窓口】建物状況調査や瑕疵保険で物件価値を向上

公開日:2023.12.12

最終更新日:2023.12.14

※以下はビジネスチャンス2023年12月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

中小不動産屋の売主確保を支援

売却の窓口 価値住宅:東京都渋谷区 高橋 正典社長(53)

 不動産仲介業やリフォーム業などを営む価値住宅は、売り物件の獲得を支援する「売却の窓口」をFC展開している。主な加盟社は不動産屋やリフォーム会社だが、仲介業務やリフォームを他社に委託することで、宅建免許や専門技術を持たなくても開業できる。そのため、不動産業の中でも異業種参入のハードルが低いブランドとして、注目を浴びている。

 

 

 

価値付けする3つの戦略

 不動産売却の際に売主が期待するのは、高値かつ早期に売り渡すこと。こうした需要に対し「売却の窓口」は、売り物件に付加価値をつけることで高値での売却を実現している。主な価値付けの方法は、インスペクション(建物状況調査)の実施と瑕疵保険の加入、そしてリフォームプラン付きなどのモデルルーム戦略だ。
 中古物件の売買は、同じエリアにある類似物件の取引価格から、対象物件のスペックで価格を増減する「取引事例比較法」を用いた査定が一般的だ。しかし、査定時の相場や物件の仕様を単純に比較した曖昧な値付けに過ぎず、査定価格通りに売却できる保証はない。特に、築古物件になると業界の慣習として大幅減価となるケースが多いという。そこで、同社は中古住宅のコンディションを明らかにするための検査「インスペクション」を実施。売り物件の現状やポテンシャルを公開することで、適正価格での売却を目指す。また、中古物件は引渡し後に見つかった欠陥に対して、前の所有者が責任を負う義務はない。しかし、同社は加入条件を満たした物件を瑕疵保険付きで売却する。1〜5年間瑕疵を保証するため、買主が安心して購入できるようになる。さらに、理想のライフスタイルに訴求できるようリフォームを施すことにより、買主の購買意欲を高めている。こうして中古物件の価値を高め、高値売却を実現することで、同社は売主の集客を図っている。

1年後の200店舗展開を目指す

宅建免許なしで開業可能

 中古住宅の売買で優位性を保つには、物件を持つ売主の確保が重要だ。しかし、現状は知名度やサービスラインナップが充実している大手不動産会社に持ち込まれるケースがほとんどで、中小不動産屋は川下に立たされている。そこで同社は、売却の窓口をFC展開することで、中小不動産屋の売主確保を支援している。加えて、仲介業を宅建業者に、リフォームを工務店やリフォーム会社に委託し、紹介料を得る形での加盟も可能だ。この場合、宅建免許を取得する必要がないため、異業種でも参入しやすい。現在は、大手不動産FC加盟店や行政書士などを含めて、FC 65店舗を展開している。
 初期投資は、加盟金の50万円のみ。加盟金には、売却専用のHPや不動産価格AI査定システム、自動追客システムなど各種システムの提供、不動産業で必要な知識を学べる研修が含まれている。提供される主なシステムは、全国の不動産情報を自動で収集する物件収集機能や、売却を考える人にメールでアプローチする自動追客システムだ。専門知識が必要なインスペクションやリフォームプランの作成は本部が斡旋を含めて行う。リフォーム会社の場合は、提案から施工まで自社で請け負うことも可能だ。

次なる成長を目指す
すべての経営者を応援する
フランチャイズ業界の専門情報誌

フランチャイズ業界唯一の専門情報誌として、毎号さまざまな切り口をもとに新興本部から大手本部までをフォーカス。またFCを自社の新たな経営戦略として位置付け、中長期的な経営を目指す経営層に向け、メガフランチャイジーの情報も提供しています。

記事アクセスランキング
次なる成長を担うすべての起業家を応援する
起業&新規事業の専門情報誌

“起業のヒント” が毎号充実! “ビジネスチャンス” の宝庫です。
すぐにでも役立つ独業・開業・転業・副業サポートの雑誌です。
資金をかけずに始められる新しいビジネスの紹介、FC、経営・会社運営のノウハウなど、多くの経営者からの“起業のヒント”が毎号充実。

定期購読お申し込みはこちら