
【空フル】空き物件をロケ地として活用し収益化
公開日:2025.07.31
最終更新日:2025.07.31
※以下はビジネスチャンス2025年8月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
完全成果報酬型の運営代行サービス
不動産の運営管理や企画、開発などを行うLeaneveが、2024年12月に空室対策として撮影地運営代行サービス「空フル」の提供を開始した。同サービスはオフィスや住宅、店舗や倉庫などのさまざまな物件を、映像制作用のロケ地として貸し出す。賃貸物件活用の新たな選択肢として注目を集めている。
初期投資なしで空室対策
Leaneveが手掛ける「空フル」は、テナントや住宅を撮影地として貸し出したいオーナーのための撮影地運営代行サービスだ。
賃貸物件のオーナーが抱える悩みの1つに空室リスクがある。空室期間中は収益が得られず維持費ばかりが嵩むため、可能な限り短く抑えたいのが実情だ。そのため、物件オーナーは空室対策として定期的なリノベーションや新設備の導入などを実施するケースが多い。しかし、その費用を捻出できず、長期間空室になっている物件も存在する。
その解決策として、空室物件を映像コンテンツの撮影場所として提供するのが同サービスだ。空室を撮影地として貸し出すメリットとして、初期投資やランニングコストが不要なことや、立地や物件のスペックを考慮する必要がないことなどが挙げられる。
しかし、撮影の地貸出しには利用者の募集や現地対応など多くの手間がかかる。その点、同サービスは集客からトラブル対応まで、収益化のための業務を同社が全て代行する。撮影地としての利用は、基本的に数時間から数日間と短期間のため、内見の日時などを調整すれば入居者の募集は継続したままで撮影地としての貸出しが可能だ。
収益をもとにリフォームを実現
同サービスにより、2年間空室となっていた商業ビルの1フロアがドラマやMVの撮影に使用されたケースがある。撮影地として1年弱の運営を行い、合計で600~700万円の収益化に成功。収益をもとにリフォームを行ったことで、入居者が決定したという。
利用プランは、物件の状況やオーナーの希望に合わせて主に3つから選択できる。いずれのプランも運営代行契約を結び、プランに応じた売上が完全成果報酬型で支払われる。最も人気のプランは、「お任せ丸投げプラン」だ。同プランは、募集から現地対応までの全てを同社に委託し、売上の30%がオーナーの取り分となる。
借り主が支払うレンタル料金は案件の種類や制作会社の予算によって変動する。そのため、需要や取引事例を鑑みた相場料金を同社が提示するが、物件オーナーが料金を指定することも可能だ。その場合はオーナー希望の金額が優先される。
同社には映画監督やCMプロデューサーなど、ロケ地の利用に詳しい人材が所属している。そのため、オーナーは不動産業界と映像業界の2つの視点から撮影地としての需要の有無を判断してもらえる。宿泊施設や飲食店、倉庫やビルの屋上など、どのような物件でも貸し出すことが可能だが、特に需要が高いのは代替が効かない個性的な物件だという。
同社は今後1年間で、掲載物件を500件まで増やすことを目指す。運営クオリティを高い水準で維持することで実績を作り、サービスの認知拡大を図る。

2年間空室のテナントでも撮影地として高需要
空フル(からふる)
Leaneve
東京都渋谷区
大嶋 宏行 社長(41)
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