
【洗い放題.com ふるーる洗車】無人×サブスクモデルの洗車場
公開日:2025.07.31
最終更新日:2025.07.31
※以下はビジネスチャンス2025年8月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
天候に左右されない高収益性を実現
京南が運営する洗車場「ふるーる洗車」が昨年7月に完全無人経営の福生店をオープンした。同店は無人運営とサブスクサービスを組み合わせたビジネスモデルに特徴を持つ。現在は4店舗(内FC1店舗)を展開、その内3店舗が有人店で福生店が初の完全無人店となる。ビジネスモデルや、今後の展望について田澤孝雄社長に話を聞いた。
天候に影響されない収益構造
ふるーる洗車は、無人洗車場と定額制のサブスクサービスを組み合わせたビジネスモデルを採用。ユーザーは月額料金を支払うことで、好きなタイミングで何度でも洗車ができる。また、車両ナンバーを識別する専用のカメラを設置しており、ユーザーはナンバーに紐づいた登録情報からサービスを受けるため、有人による案内を省いた無人店舗経営を可能とした。
このモデルの最大の強みは、天候に左右されない安定した収益制にある。洗車業は雨天時に売上が大きく減少する問題があったが、サブスクモデルにすることで天候に関係なく一定の売上を確保できる。さらに、無人運営による人件費削減で、高い利益率を維持できるのも利点だ。
メニューはシャンプー洗車や撥水ワックスなどがあり、サブスクのプランによって選べる内容が変わる。サブスクプランの金額は月額1980円から最上位のゴールドシェアプラス8940円まで5種類あり全店舗統一価格だ。店舗によって金額が異なる場合があるが、サブスク登録をしていないユーザーでも単発の料金を支払うことでサービスを利用できる。
同社は、土地活用の一環として洗車ビジネスに着目し、2007年にスタートした。しかし従来の洗車業では、天候や人材確保の問題から収益が不安定になることが多く、安定したビジネスモデルを模索する中で無人×サブスクの形態を構想。2013年から洗い放題のサービスを開始している。月額会員数が安定的に増加し、福生店では370件のサブスク登録を得ている。同社は、ポスティングなどの集客は行わずWEBマーケティングに特化している。実店舗に足を運ぶ前のサブスク登録を狙い、本部がWEB広告を出稿し各店舗の集客を支援している。
併設型の出店を推奨
加盟するには、洗車機を2台の設置を想定した場合、初期投資として5000万円ほどが必要だ。内訳は洗車機2台が2000万円、土地整備・設備投資が1000万円ほど。このほか、加盟金が300万円、監視カメラやナンバー識別用のカメラが13台ほどで1000万円が必要になる。これに加え物件取得費がかかる。同社は、ガソリンスタンドやホームセンターなどの併設型ビジネスを展開する企業の加盟を推奨しており、150坪ほどの広さがあれば洗車機1台から始められるという。そういった企業にとって、低コストで洗車事業を展開でき、事業の多角化と既存敷地の有効活用ができる。
月商はアベレージで300万円ほどだ。経費は水道光熱費の16%に加え、洗車用の液剤が6%かかる。そのほかにロイヤリティとしてサブスクの売上の20%が必要だが、利率の高い収益モデルとなっている。
同社は今後、主に併設型の店舗を展開することで全国にFC1000店舗展開を目指す。特に、ガソリンスタンドや商業施設とのコラボレーションを強化し、無人洗車場の普及を加速させる方針だ。

昨年7月にオープンした無人経営の福生店
洗い放題.com ふるーる洗車
京南
東京都昭島市
田澤 孝雄 社長(49)
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