【ディーキャリア】発達障害に特化した就労移行支援事業
公開日:2025.11.26
最終更新日:2025.11.25
※以下はビジネスチャンス2025年12月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
特性理解を深めるカリキュラムで定着率93%以上を実現
2014年に創業したデコボコベースは、主に発達障害を持つ人を対象とした支援事業を手広く手掛けている。同社が2016年に立ち上げた就労移行支援事業所「ディーキャリア」は、障がい特性による働きづらさをフォローするプログラムと適職を見極めるカリキュラムによって、定着率93.4%を実現している。現在は直営5拠点、 FC89拠点を展開中だ。
定着率は93.4%の高水準
デコボコベースは児童発達支援事業や就労移行支援事業、放課後等デイサービスなど複数の福祉系FCブランドを展開し、個々の特性に応じたさまざまな支援を提供している。全チェーン合計の機能数は4ブランドで359カ所(2025年9月時点)となり、現在の利用者数は2万8233人(2025年8月時点)に上る。同社が展開するブランドの大きな特徴は、発達障害者に特化した専門的なサービスで差別化を図っていることだ。
その中の1ブランドである、就労移行支援事業所「ディーキャリア」は、2016年に運営を開始し、現在は全国94事業所を展開している。
同事業所では感情への向き合い方、ストレス対処の習得や特性に対して求める合理的配慮の具体化など、発達障害の特性に特化した支援プログラムを提供しており、障がい特性への理解や対策が深めやすい環境となっている。そのため、就職後は特性と共存しながら長期的な就労を実現する利用者が多く、就職後半年の定着率は93.4%と高水準だ。また給料水準も高く、令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書によれば、発達障害者の1カ月の平均賃金は13万円のところ、同事業所の利用者の就職時平均月給は20万1764円だという(24年度実績)。

自己理解を深めるための支援環境
独自開発システムで運営効率化
同事業所の開業資金の目安は総額1380万円程度だ。内訳は加盟金400万円、研修費110万円、開業支援費90万円に加え、物件取得費や内装工事費、備品費などが含まれる。
開業25カ月で利用者26人集めた場合の収益モデルは、月商500万円で営業利益は約200万円。家賃や人件費などを含めた経費が300万円程度だ。ロイヤリティは22万円となっている。投資回収期間は30カ月を目安としている。
同社は障害福祉サービス専用の運営・請求システム「凸凹システム」を独自開発しており、同事業所でもこのシステムを使用している。同システムは、利用者の支援記録や国保連への請求など、さまざまな業務を一括で管理できる。利用者の状態を数値で把握できる独自のアセスメント機能や、スマホを利用した予約や欠席の連絡機能などが搭載されており、利用者と事業所双方に大きなメリットをもたらしている。
同社は福祉事業での「ソーシャル インパクト」の最大化を重視し、幼少期から成人期まで障がい者のトータルサポートを行っていく。2030年に全ブランドで合計500事業所体制を目指している。
ディーキャリア
デコボコベース
(東京都港区)
松井 清貴社長
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