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【ちょいおでん】居酒屋メニューの展開でシーズンに左右されない売上を実現

公開日:2023.12.31

最終更新日:2024.01.04

※以下はビジネスチャンス2023年12月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

普段使いを目指した中価格帯のおでん酒場

ちょいおでん ちょいおでん:東京都千代田区 本間 保憲社長(53)

 2011年に設立したCANVASは、飲食店経営やプロデュースを手掛けており、自社で飲食11ブランドを展開している。同社は2019年におでん酒場「ちょいおでん」を開発し、今年4月に新会社ちょいおでんを設立。翌月からFC募集を開始した。今後はFCを中心に出店拡大を図り、3年後の100店舗展開を目指している。

 

 

 

独自商品も充実

 おでんを提供する店は、高級専門店か、季節商品で導入する居酒屋で二極化している。そんな中、年間を通して気軽におでんを食べられる店として開発された「ちょいおでん」は、客単価2800〜3000円の中価格帯に位置する新業態だ。
 居酒屋業態を採る同店は、おでんとおつまみ、ドリンクの質と種類にこだわっている。おでんは出汁に鱧を使用し、淡泊ですっきりとした味わいに調理。鰹や醤油を使った一般的なおでん出汁よりも、食材の旨味と融合しやすいのが特徴だ。そのため、大根やこんにゃくのような定番ネタ以外にも、イベリコ豚や牛タンなどの肉おでん、水ギョーザやちくわぶ明太バターなどの変わり種おでんの提供も可能とした。
 おつまみは刺身や肉料理に加え、独自メニューを提供。ドリンクは、おでん出汁の成分に合わせて作った「おでんの為の究極の緑茶ハイ」や、写真映えする「お花のサワー」などのユニークな商品を揃える。このような充実したメニューを用意することで、若い男女から老夫婦まで幅広い客層を取り込むことに成功した。

地域密着店を目指し、各店独自のメニューも提供している

特殊なカウンターで人件費削減

 同社は約4年間かけて運営ノウハウをブラッシュアップし、FCパッケージを開発。今年5月よりFC募集を開始した。初期投資は加盟金200万円、保証金50万円、研修費30万円、厨房機器約150万円、店舗備品約30万円。そのほか店舗工事費などを合わせても1000万円ほどで開業できる(居抜き物件の場合)。
 15坪で8.5時間営業した場合の月商は、約408万円。月々の費用は原価27.5%、人件費28.1%、家賃4.9%。同店は、大根の皮を一品料理にアレンジするなどして食品ロスを低減し、原価率を抑えている。また、客席を「コ」の字カウンターにすることでホール業務を効率化。オペレーションは2〜3人で可能だ。こうした工夫などにより、ロイヤリティ7万円(15坪以上は10万円)と、その他経費を差し引いても営業利益23%を確保できる。
 おでん専門店は夏に弱いイメージがあるが、同店は夏でもピーク時の9割超の売上を維持している。その理由は、一品料理を充実させることで居酒屋として需要があること、また、夏はコンビニや居酒屋がおでんを提供しないため、需要が同店に集中するという。
 研修は直営店で14日間、調理や接客、仕込みなどの店舗オペレーションを学ぶ。おでん出汁などの食材はOEMで製造されるため、仕込みや調理はシンプルで初心者でも十分に習得できるという。オープン前後6日間は本部スタッフが店舗に入り、直接指導を行う。
 同社はFC出店を基本に、3年後の100店舗展開を目指している。直営店を出店しない分、FC店のフォローアップに注力する方針だ。

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