
【安心堂】給湯器の取替え専門店を全国35拠点で展開
公開日:2025.08.15
最終更新日:2025.08.15
※以下はビジネスチャンス2025年8月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
顧客への仕組化したレスポンスの速さが強み
y.system125は、給湯器のエコキュート取替え専門店「安心堂」を2022年3月に立ち上げ、VC(ボランタリーチェーン)を全国拠点で展開している。現在、高効率給湯器の導入促進のため、経済産業省が主導する給湯省エネ2025事業による補助金を設けている。同制度を利用することで、エコキュートの場合1台あたり6~13万円、さらに蓄熱暖房機または電気温水器の撤去をする場合最大8万円が支給される。このことから同社は、今後の給湯器交換の需要は高いと分析している。
迅速な対応のための3つの工夫
安心堂は、エコキュートを専門とした給湯器の交換リフォームを行う。価格は、商品代と工事費で40~60万円ほど。これに対し、給湯省エネ2025事業による6~21万円の補助金が下りる。集客はリスティング広告とチラシをメインに行い、本部のサポートを受けながら地域に合った訴求方法を模索していくが、本部のHPに届いた問い合わせを加盟店に送客するケースもある。
安心堂の強みは、消費者からの問い合わせに対する迅速かつ丁寧な対応にあるという。具体的には3点。1点目は問い合わせに対するレスポンスのマニュアル化だ。返答内容をテンプレート化することで、誰でも迷うことなく即座に対応できる。2点目が在庫管理だ。今川貴晶執行役員によると、通常エコキュートの交換には契約から1週間ほどかかるという。同社では常に在庫を切らさないよう管理することで、契約の当日や翌日の交換作業を可能とした。3点目が電子契約システムとQRコード決済の導入だ。契約にサインやハンコをもらう必要がないため、営業担当が現地に行くことなく取換え工事を完結できる。支払いについても顧客の来店や振込みをする必要がなくなり、手続き作業の上でのわずらわしさを軽減した。
商品の品質や価格に大きな差を付けられないため、競合他社との差別化が難しい中、同社は顧客からの問い合わせに対するレスポンスを重視した。顧客はお湯が出なくて困っている状況が多く、即時性を優先した提案が受注の決め手になるという。
新卒社員が500万円売上る店舗も
加盟の初期投資は加盟金129万8000円と、エコキュートの仕入れとして100万円弱が必要だ。加盟金にはLP作成や公式ラインの開設、導入研修費用が含まれ、商品の仕入れは基本的に本部から行う。商品の大量購入で相場より15%安く仕入れられることが可能だ。
現在加盟しているのは建築業を主軸とした企業が多いが、大型改修を手掛ける企業や塗装業者など業界の中で多岐にわたる。研修ではエコキュートの設置方法や顧客ケースに応じた返信マニュアルを指導する。資格や免許が必要なく、同業者にとっては参入しやすい業態だという。
開業後は月に5件ほどの販売件数を見込み、月商は250万円ほど。1件当たりの営業利益が12~15万円で、作業には3時間ほど要するので、1日2件のペースを推奨している。
営業のための人員は必要なく、オンラインスタッフがいれば受注できる効率の良いビジネスモデルだと今川執行役員は話す。中には新卒社員が月に500万円売上げる店舗もあるという。
同社は、今後のVC展開で全国の市区町村を網羅することを目指す。
「安心堂のネームバリューが上がってきましたが、より給湯器で困っている全国の人にサービスが行き届くようにしたいと考えています。年内に加盟店50店舗を達成できると思いますが、目標は全国100店舗です」(今川執行役員)

エコキュートに交換作業をする様子
安心堂
y.system125
大阪市北区
今川 貴晶執行役員(47)
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