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【アメリカヤコーポレーション】17等級の基準に分類して人材を評価複数担当者の目で公平に考課

公開日:2023.08.27

最終更新日:2023.08.27

※以下はビジネスチャンス2023年8月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

アメリカヤコーポレーション (群馬県館林市) 福田 大作会長(48)

1974年栃木県栃木市生まれ。4歳の時に父親が群馬県館林市に「アメリカヤ靴店」を開業。城西大学卒業後、3年間靴の販売を経験。2000年に実家に戻り、靴の販売を半年間行う。その後フランチャイズ事業参入に伴い、牛角の店長などを歴任。 2004年常務取締役、2010年代表取締役社長を経て、2020年に代表取締役会長に就任。
加盟ブランド
かつや/からやま/ペッパーランチ/いきなり!ステーキ/牛角/てんや など

 

 

 北関東を中心に10業態53店舗を運営するアメリカヤコーポレーションは、古くから数値を根拠にした客観的な売上管理、人材評価などを独自に行ってきた。今後の規模拡大に向け、現在でも社内の人材体制づくりに注力し続けている。

 

店舗ごとに数字を見ながら全社員を対象に月次会議を開催

―御社は97年設立でその翌年、サーティワンのFC事業に参入しました。会長は2000年入社ですが、入社当時はどのような状況でしたか。
福田 目の届く範囲はわかりますが、数字で出てくるものに対して理解するのには時間がかかりました。また、人材育成にたどり着くまでかなりの年月を要しました。数字は正確でお客様も正直です。お客様の評価は売上に直結しており、良ければ上がるし、悪ければ下がります。外的要因はありますが、これが原則です。
―事業が拡大して店舗が増えると、なかなか目が行き届かなくなりませんか。
福田 確かに、全員のお客様にいいサービスをしているのかは確認できません。ただサービスが良ければ、お客様はリピートします。大切なのは売上が伸びていることです。
 たとえば当社では、昨年度対比を見て、業態平均値を超えているかをチェックしています。1か月だけ超えることがあるかもしれませんが、半年や1年など長期にわたって昨年度対比を超えるのはQSCが良いお店です。それを達成していれば、店長やスタッフの評価になります。社内では、「ブランド平均(業態平均)」を超える店舗力として共有します。
―御社では積極的に社内のコミュニケーションを図っていらっしゃいますね。
福田 月次会議は全社員が集まるので、全体の流れや店舗ごとの数字、出店状況などを情報共有します。コロナの制限がなくなったので、今後は交流会などコミュニケーションを充実させます。週次会議は店舗を回っているマネージャーと部長が集まり、売上などの数字を見ながら話し合います。また決算が出た後のタイミングで、年次総会(中期経営計画発表会)を開催します。この時は、加盟するFC本部や金融機関の担当者にも参加してもらっています。
 当社では、通常業務とは別に5つ程度(年によって異なる)の分科会を作り、各会のリーダーに権限を持たせています。ここでは従業員が参加して、情報発信しています。ここでは従業員の研修や理念の浸透、店舗の研修などの仕組みを作ったりしています。従業員の意見を汲み取り、より良い仕組みを作っていきたいと考えています。
―かなりの数の会議をしていますね。
福田 前期は年間67日、今期は年間44日の会議日です。リモートの会議参加も活用し、複数の会議を組み合わせることで年間の会議日数を調整しています。効率的な会議で繁忙期は現場に集中し、また休みを取りやすくするなど、毎年、社長が会議の生産性を見直しています。

全社員が集まる月次会議

FC本部等も参加する中経発表会

独自のPLで個人店ごとに管理

―どのような従業員構成で店舗運営をしているのですか。
福田 社員は約70名で、50名近くが店長。同じ人数のパート社員がいます。社員である店長を中心に、15〜30名程のパート・アルバイトで店舗を切り盛りするのが基本です。パート社員やベテランのパートが主力の店舗もあります。主婦やフリーターなど経験値が高いパート・アルバイトがいる場合、無理に社員が入るより店舗が安定しています。
 社員以外の従業員は約1000名が在籍しています。パート・アルバイトは店舗単位で求人募集し、面接は店舗責任者が担当します。店舗に入らない社員はバックオフィスの経理や労務といった業務に就いています。店舗数が少ない頃、本社の必要性を感じませんでしたが、人数、業態、店舗が増えると色々な管理業務が増えてきました。
―人事評価は17等級に分け、公平な判断を心がけていますね。
福田 現在の評価制度ができ上がるまでに時間がかかりましたが、1〜17等級の基準で評価しています。評価は期末(5月)までに各担当者から人事評価を上げ、週次の会議にかけて決定します。細かく等級を分類し、複数の担当者で評価することで公平な評価を心がけてきましたが、今後はもっとシンプルな評価体制にするため調整中です。
―独自のPL(損益計算書)を活用していますね。
福田 会議と評価制度のほか、個店ごとのPLを作成しています。各本部にフォーマットがあって管理しているのですが、当社は独自にPL管理しています。なぜなら、各本部のフォーマットでは複数業態の数字を比較できないからです。独自フォーマットが完成するまで時間はかかりましたが、その甲斐あって、全体像を把握しやすくなりました。
―複数視点の人事評価とは、どんなものですか。
福田 社内ファーストより顧客視点を重視しています。どうしても、経営側と接点が多い社員がよく見えてしまいます。その点、数字は正確でお客様は正直です。経営側から見えなくても頑張っている従業員はたくさんいます。属人的な評価をするのではなく、数値などデータも利用して、複数の視点で評価することを心がけています。
―現在53店舗を出店しています。今後の増店基準はどのように考えていますか。
福田 既存業態で店舗数を増やしていきます。当社の出店計画は店舗数ではなく、売上に対するパーセンテージで設定しています。そこで見合う売上を店舗数に当てはめて物件を当たります。例年、5%の売上を伸ばすにはどんな業態を何店舗やるかといった考え方です。
 また直近の課題は採用です。なかなか人が集まりません。今後、採用が出店計画に影響しそうですが、新しい業態に取り組む際は店舗出すという気持ちでやっていきたいと思います。

かつや店舗&社員

 

 

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