【アップガレージグループ】カー&バイク用品などのリユース店を26店舗展開

公開日:2026.02.08

最終更新日:2026.01.27

※以下はビジネスチャンス2026年2月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

時代の追い風に乗り過去最高売上13億円超を達成

 リユース事業と流通卸売事業の二本柱で急速に成長するアップガレージグループ。2025年3月期には売上高139億8100万円(前期比11.3%増)、営業利益10億4400万円(同8.3%増)と過去最高の業績を達成した。同社は、カー&バイク用品のリユース専門店「アップガレージ」をはじめとする複数ブランドの店舗を国内に268店舗展開。2024年にはアメリカへの進出も開始し、海外展開も本格化させている。同社の河野映彦社長に、好調な理由と今後の成長戦略について話を聞いた。

受発注プラットフォームを700社に導入
自転車やベビーカーなど車輪ビジネスを拡大

 河野社長は、流通卸売事業でのカー用品の受発注プラットフォーム「ネクスリンク」の成長が、業績の好調な大きな要因だと話す。中古車ディーラーや整備工場が抱える発注業務の煩雑さを解消する同サービスは、導入企業から高い評価を得ているという。河野社長は、2023年に現職に就任して以降、幹部層の育成に注力。また、女性客を取り込むべく、自転車やベビーカーなど新カテゴリーへ進出など、新たな取り組みに挑戦してきた。

請求業務を一本化 コールセンター機能も

―御社は、カー&バイク用品のリユース専門店「アップガレージ」などのFC展開をするほか、中古車販売店向けの卸売も手掛けています。
河野 リユース事業と流通卸売事業が、現在の当社の二本柱となっています。流通卸売事業では、ネクスリンクというサービスを展開しています。ネクスリンクは、中古車ディーラーや整備工場、車検工場などの企業を対象とした、カー用品・消耗品の受発注プラットフォームです。
 もともとは、新品のカー用品やバイク用品をFC加盟店に卸すために構築された仕組みでしたが、2020年ごろから外部向けにサービス展開を始めました。すでに70社ほどに導入していただいています。
―導入することでどのようなメリットがあるのですか。
河野 まずはパーツの買い間違えがなくなります。ある大手中古車ディーラーは、車を販売する際に、パーツを取り付けて価格を上げる取り組みをされています。
 しかし、その際にパーツの発注ミスが相次いでいたのです。そのため、返品のできない使えないパーツが在庫として積み上がっていました。
―パーツの発注はそんなにも間違えやすいものなのですね。
河野 車のパーツは、同じ車種で同じ年式でも、グレードが違っていると取り付けられないことがあり、非常に間違えやすいのです。彼らは車のプロであっても、パーツのプロではありませんから。
 また、その中古車ディーラーは、当時400社ほどのサプライヤーと取引しており、管理が非常に煩雑になっていました。それもネクスリンクを使えば、それまで400社それぞれにしていた請求業務を一本化することが可能です。
さらに、コールセンター機能もあるのでそれぞれのサプライヤーに電話する必要もなくなります。それに加えて、ボリュームディスカウントを引き出せるので、導入企業に非常に喜ばれています。
―2025年3月期は過去最高の業績を達成されました。それだけ好調な理由をお聞かせください。
河野 時代が私たちの背中を押してくれているというのが実感です。リユース業態に関して言うと、インフレで新品のカー用品やバイク用品の価格が高騰しています。そのため、中古品が売れやすくなっています。
 また、物を大切にするという日本の国民性が近年さらに浸透し、それがリユースを選ぶという行動に現れているように感じています。
―近年、若者の車離れの話もよく聞きますが、御社の事業に影響していないのですか。
河野 確かに若者の車離れはあると思います。しかし、実際のところ地方は車がないと生きていけません。私たちのお店は基本的に地方をメインとしたモデルなので、その影響をほぼ受けていないですね。
 ネクスリンクも好調で、このまま需要が伸びていくことが予想されます。現在の扱い高は約50億円ですが、これを20億円まで拡大することを目指しています。

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#アップガレージグループ
#リユース

地方をメインにしたモデル

次世代経営者研修を導入 女性客を取り込み認知拡大

―2023年に河野社長が現職に就任されました。就任されてからどのようなことに注力してきたのですか。
河野 まずは、私を含めた幹部層の育成です。会社の今後の展開を左右する重要な要素だと思い、現在も注力しています。次世代経営者研修を導入し、明確な階層を設定して育成しています。トップ4人の経営層と、その下に11人を配置して、若手にはまずその11人に入ることを目指してもらう形です。
 研修はただの座学ではなく、かなり緊張感のある内容になっています。準備をしてこない、ディスカッションで意見を言わない、フィードバックをしない、これらは全てアウトです。みんなが必死に頑張らないといけないような仕組みになっています。
 ほかにも、既存事業の効率化とパフォーマンスの最大化を強く意識しています。
―効率化のために具体的にどのような取り組みをされているのですか。
河野 小売ビジネスは、昨年対比を超えられるかを重要な指標としています。しかし、毎年数字を上げ続けてきたからこそ、越え続けるのは非常に難しい。それでも、実力をつけながら毎年100%を超えていけるよう取り組んでいます。
 そのために、ストア店長の育成、IT投資をして業務効率を上げて、店舗スタッフが本当に集中するべき業務に集中できるようにしてきました。
―最近、新たな取り組みとして、自転車やベビーカーなどの新しいカテゴリーを扱い始めたと聞きました。2022年にオープンした中古自転車専門店「アップガレージサイクルズ」は、現在10店舗となっています。
河野 これまでアップガレージのユーザーの約90%が男性だったため、そこに女性顧客を取り込みたいと考えたのです。結婚すると、我が家もなんですが、家庭の購買決定権は女性が握ることが多いですよね(笑)。女性に支持されるお店にならなくては、大きな成長は望めません。
 そこで、私たちが得意とする車輪のビジネスの中から、自転車の取り扱いを始めました。車輪のあるものはゴムがついており消耗するため、交換が必要です。基本的に人が乗るものは、命に関わるからプロに任せた方が安心ですよね。
 自転車から始め、現在はベビーカーにも広げて、将来的には車椅子も考えています。イギリスの社会保障制度に「ゆりかごから墓場まで」という言葉がありますが、私たちはそのイメージで「乳母車から車椅子まで」という形で、展開することが目標です。
 自転車のお店自体は女性が5割を占めるようになり、女性に私たちのブランドを知っていただくのに効果が出ていると思います。

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中古自転車専門店「アップガレージサイクルズ」は2022年にオープン

90日で在庫を入れ替え、リピート率6割を実現
アメリカに進出し、1年で日本の1.5倍の売上を達成

 現在、アップガレージのFC加盟企業は50社ほどだ。初期投資の回収期間は通常3年を予定しているが、1年半で回収できる例があるほどの好調ぶりだ。そのため、既存店の増店意欲が高く、現在は新規加盟開発を積極的に行っていないという。今後は既存FC加盟店のサポート体制の強化を図り、1年に15店舗のペースで拡大していく方針だ。また、2024年にアメリカへ出店したカー用品のリユース店1号店も好調で、アメリカ店舗の拡大も同時に行っていくという。

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車輪ビジネスを広げていく

ロイヤリティ引き上げ全店の質の向上目指す

―現在、アップガレージブランド店を全店舗合わせて268店舗展開されています。直営とFCの比率は。
河野 直営2、FC8の割合です。加盟企業は約50社で、社あたり平均3~4店舗を運営しています。多いところでは10店舗展開しているところもあります。現在はFCも非常に好調で、既存オーナーたちの増店意欲が高く、新規の加盟募集を積極的にはしていません。
―加盟企業の属性は。
河野 中古車屋や車検工場といった、やはり自動車関連の企業が中心です。バイク用品店の大手は日本に4社しかありませんが、そのうち3社が加盟しており、ショップインショップ形式で展開しているところもあります。
―フランチャイズパッケージの初期投資、収益モデルについて教えてください。
河野 在庫込みでトータル3000~5000万円です。パッケージとしては、加盟金が143~440万円、保証金が30~50万円、共同広告費10.5~48万円、システム利用料等があります。
 年商は1億2000~2億4000万円で、営業利益率は10%程度です。投資回収は、想定では3年計算ですが、最近は1年半で回収できるケースが多いですね。
 実は2025年の10月からロイヤリティを3%から3.8%に引き上げました。しかし、これもFC加盟店がさらに稼ぎやすくするためなのです。
―どういう狙いでロイヤリティを上げたのですか。
河野 これまでコストを掛けて直営店でうまくいった事例が出た際は、「これくらいの費用が掛かりますが、この効果が出ます。やりますか?」と加盟店ごとに判断を任せていました。しかし、それでは店舗全体のクオリティが上がりにくい。
 それで今回はロイヤリティを上げて、その分、直営で上手くいった施策は全店に導入することにしたのです。
―他にも加盟店のために行っている取り組みがあれば教えてください。
河野 加盟店のレベルアップをするために、スタッフの研修には今後も力を入れていきたいと思っています。また、アップガレージはリピート率6割という高さが強みです。リピートしたくなる店舗づくりを徹底しており、基本的に在庫は90日で一回転させます。在庫の回転率に関しては今後も徹底していきたいです。
―なぜそのような速さで入れ替えているのですか。
河野 アップガレージのユーザーの4割はコアな車やバイクのファンです。その方々はお店に宝探しを目的に、しょっちゅう来てくれます。その方々に喜んでもらうためには、1ヶ月来なかったら、半分以上の在庫が入れ替わっている状況が必要なのです。
 まずはそのために値段を下げるのですが、それでも長期在庫になってしまった時は、自社のオークションサイトにて1円スタートで売り切ります。売り場が大きいわけではなく、商品が滞留してしまうとお店の魅力が下がってしまうため、在庫の回転率にはかなり気を使っています。

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車輪のゴムは消耗するため交換が必要

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米国店舗「UPGARAGE Garden Grove」

ドミナント戦略で出店 最終目標は500店舗

―今後の出店計画について聞かせてください。
河野 当期は店舗の出店を計画しています。従来は商圏30万人に対して1店舗が標準でしたが、ドミナント戦略が上手くいっており、現在は15万人での出店が可能になってきました。
そのため、本当はもっと早いスピードで出店したいのですが、直営が抱えている在庫で新規出店をサポートする際の限界値が15店舗なのです。これが20店舗になると、直営既存店から在庫を抜く必要が出て、魅力的なお店を提供できなくなる恐れがあるので、それはしないようにしています。
―2024年4月にアメリカ1号店を出店されていますね。状況はいかがですか。
河野 好調に滑り出しており、同じ大きさの日本の店舗と比較すると、約1.5倍の売上になっています。当初は定期的に日本から在庫を送る必要があると思っていたのですが、日本車の愛好家が多く、もう既にアメリカ内で循環ができるようになりました。2025年11月にアメリカ2号店の出店を予定しており、準備を進めているところです。
―今後のアメリカ展開のペースは。
河野 現在はテストしながらやっているところですが、年に1~2店舗出店したいと考えています。5店舗くらいに広がると、在庫に融通が効くようになり、さらに稼ぎやすくなるので、まずは5店舗展開を目指します。
―最後に今年の展望をお伺いします。
河野 2024年に、5年の中期経営計画を策定して、今年は真ん中の年。最初の3年が今後の20年の成長の礎になる時期だと思っているので、今年は基礎づくりの最終年になります。何か奇をてらったことをやるのではなく、やるべきことを追求することが大事になると考えています。
 今のビジネス展開なら年10~15%の成長は十分達成できます。ですが、それだけでは面白くありません。そこに非連続的な成長を、どれだけ入れられるかが重要です。
 非連続的な成長とは、M&Aなのか、社内から生まれる新規ビジネスなのか分かりませんが、新たな挑戦から生まれるものだと思っています。自転車事業もその一つのエンジンになるかもしれません。
 長期のビジョンとしては、500店舗展開はいきたいですね。そして、家を買うときに「新築か中古か」と迷うように、いつかタイヤを買う時にも中古という選択肢が当たり前の世界を目指したいと思います。

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在庫は90日で一回転させる

アップガレージグループ
(神奈川県横浜市)
河野 映彦社長(44)
1981年生まれ、東京都出身。明治大学卒業後に野村證券に入社。2012年に株式会社アップガレージグループに入社すると、社長室長、事業本部長、子会社代表取締役社長、株式会社アップガレージグループ取締役副社長を経て、2023年に代表取締役社長に就任。

 

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